第51回「セックスするふたりを守る『フィンドム』知ってる?」

フィンドム、ってみなさんご存じですか? 名前ぐらいは聞いたことがあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。 私はこのお仕事をしていて初めて知ったのですが、第一印象は「あ、小さいコンドームだ!」でした。形はコンドームとほぼ同じで、サイズは2周りほど小さい……そう、フィンドムとは「指用コンドーム」といわれる、指用セーファーサックのことなのです。 レズっ娘グループは、女性同士のプレイを提供するお店ですので、指でデリケートな部分に触れるシーンも多いです。傷つけてはいけない、痛い思いをさせては気持ちよさが遠のくばかり。そんなとき、指を薄い膜で覆うことでお互い安心して触れ合える、そのためのアイテムとして市販されています。 使い方はとても簡単で、指にするっとかぶせるだけ。とても薄くて繊細な素材なので、はじめて触ったときは、破れないかな? と、ちょっと心配になりましたが、実際にはかなり丈夫です。そして、私の指へのフィット感は抜群でした。 「これ、絶対便利やん?」──使う前から、そんな確信がありました。 いざ使ってみると、素手の指で触れるのとまったく同じとはいえません。お互いが裸になっているプレイでは、素手でないとわからないこともたくさんあります。それでも、フィンドムをとおして、お互いに「触れ合えている」という感覚はしっかり得られますし、指を動かしてもズレることがないので、プレイに集中できます。 私は常に爪を短く切りそろえ、なめらかに整えていますが、粘膜はとてもデリケートなので、絶対に傷つけないとはいい切れません。相手にそんな痛い思いをさせたくないし、傷がつくと感染症にかかるリスクも高まるとも聞きます。フィンドムを着けるということは、大事な粘膜を、あなたの身体を、傷つけたくないんだよ、という思いやりを示すことでもあるでしょう。 フィンドムは台湾生まれで、本国では成人女性の3人に1人が愛用者なんだそうです。すごいですね! セックスライフを大事にする国とのことで、衛生についての考えも進んでいるのかな、と感じます。 レズっ娘グループは風俗業界で最初のフィンドム正規取り扱い店なのですが、私はこれをとても名誉なことだなぁと思っています。フィンドムの存在、メリット、使い方を知らない女性はまだまだ多くて、でも、知れば「こんなに便利なモノがあったんだ!」と感動しますし、セックスライフがより豊かになります。 ストレスフリーなセックスが、いかに心地いいものか。 心配から解放されたセックスは、気持ちよさをどれだけ加速させるか。 お店の利用をきっかけにそんなことを知る女性が増えているのだとすれば、やはり誇らしい気持ちになります。 具体的には、フィンドム(2個)を無料オプションでコースに追加することができます。 グループ全体のことはわかりませんが、私のお客様の1〜2割の方がオプションを希望されます。「使ったことがないので、まずは触ってみたい」という声をよくいただきます。お試し、大歓迎です! 私に使ってほしいというよりは、自分自身で使ってみたいという方が多いです。手荒れでさかむけができていて気になるからとか、ネイルが好きなので爪が長いからとか、理由はさまざまです。 性的な触れ合いに慣れていなくて、粘膜に直接触れるのにまだちょっと抵抗があるというお客様から、薄い膜1枚があることでそれがやわらぐ……というお話も聞いたことあります。 大事なのは、正しく使うことだと思います。爪が長すぎたり尖っていたりすると破れる可能性はありますし、指をあまりに激しく動かすと腟のなかで抜け落ちてしまうこともありそうです。逆にいうと、フィンドムをちゃんと使おうと意識すると、触れ方が丁寧でやさしいものになる、という効果もあるかな。繊細な粘膜を扱うのですから、気を遣いすぎってことはないと思うのです。 フィンドム、どんどん使ってほしいですよね。 誰が、どんな場面で、どう使うのも自由です。自分ひとりで使っても、誰かに使ってもいいんです。 女性同士のプレイだけ、と限定されるものでもありません。男性だって指に傷ができることはありますよね。 「レズ風俗ティアラ」にはカップルコースといって、男女カップルでご利用いただき、女性とキャストのプレイを男性が鑑賞できるコースがあります。ここでフィンドムを使ったプレイを一度ご覧いただくと、男性の方にはとても勉強になるんじゃないかと思います。 自分は常に完ぺきだと思ってセックスしている男性にとって、女性同士のセックスは参考になることが多いようです。どんなに自信があっても決して傲慢にならず、初心に戻ってイチから学ぶ気持ちで見てくださる方は、必ず何かをキャッチして帰られるようですね。それが結局は、パートナーのためにもなると思います。 フィンドムを使うということは、相手の身体を労わる気持ちと、行為を大事にしようという想いがそのベースにあると思います。その安心感を共有していれば、プレイの幅も広がると思います。ハードなプレイやアブノーマルなプレイも、これがベースにあってこそ愉しめるものですよね。 フィンドム、敬遠せずに一度は挑戦してみませんか? 良いか悪いか、合うか合わないかは、使ってはじめて判断できること。何ごとも、自分で体験しなきゃわからない! 私が常に、重視していることです。

【ゆう プロフィール】

永田カビ著『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』(イースト・プレス)のモデルになった現役キャストで、2008年から在籍するベテラン中のベテラン。レズっ娘グループ全店の新人講習スタッフを兼任する。https://tiara.ms/cast/cast.php?no=00025

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