「息子」から「孫」へ…変化するオレオレ詐欺の手口 福井県内、9月末までに6件1708万円被害

「息子」から「孫」へ…変化するオレオレ詐欺の手口

 特殊詐欺の一つである「オレオレ詐欺」被害が今年、福井県内で増加している。息子が病気になったという架空の話を持ちかける手法で、高齢者が多額の金銭をだまし取られるケースがあり、9月に入ると「孫」をかたる手口の被害が連続して発生。県警は「詐欺の手口は固定しておらず変化していく。不審に思ったらすぐに連絡を」と警戒を強めている。

 オレオレ詐欺は家族、警察官、弁護士らを装い、家族が起こした事件・事故、トラブルに対する示談金などを名目に金銭などをだまし取る手口。県警生活安全企画課によると、今年1月から9月末までに6件(1708万円)の被害が確認され、相談件数も50件を超えている。

 息子をかたる手口の詐欺事件では、県内の病院医師を名乗る男から高齢者宅に電話があり、「息子さんが喉の病気になり、いつもの声と違う」などと伝えられた後、息子を名乗る男から「病院で財布をなくした。仕事で金が必要」と電話があり、自宅を訪れた男に現金を渡してしまった。

 9月に2件確認されたのが孫をかたる手口。「投資で大金がもうかったが税金を払う必要がある」などと孫を名乗る男から連絡があり、福井市と坂井市の高齢女性が現金計900万円の被害に遭った。

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 孫をかたる詐欺被害は県外でも確認されており、犯行グループが福井県内にも触手を伸ばしてきたとみられる。県警生活安全企画課の担当者は「詐欺の手口は全国でたくさんある。防犯意識を高め、お金の話が出たら電話を切って家族や警察に相談を」と注意を呼びかける。

 架空料金請求詐欺などを含めた県内の今年の特殊詐欺被害は、9月末現在で認知件数が22件(前年同期比6件増)、被害金額は約5500万円(同3100万円増)となっている。

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