孫氏が講演「AIで決定的な差」 自社イベントで積極活用訴え

講演するソフトバンクグループの孫正義会長兼社長=4日午前、東京都港区

 ソフトバンクグループ(SBG)の孫正義会長兼社長は4日、東京都内で開いた取引先など法人向けの自社イベントで講演し「人工知能(AI)を拒否するか受け入れるかで今後決定的な差が生まれる」と述べ、日本企業がより積極的にAIを活用し成長していく必要性を訴えた。SBGはAI技術を持つ各国の新興企業へ投資している。

 イベントでは傘下の英半導体設計大手アームのレネ・ハース最高経営責任者(CEO)もオンラインで孫氏と対談。ハース氏はAIやクラウドサービスの発展で世界の電力消費量が増え続けると指摘し、省電力で高性能な自社技術をPRした。孫氏も競合他社と比較した際のアームの優位性を強調した。

 アームは9月に米ナスダック市場に上場した。取引初日の終値ベースの時価総額は650億ドル(約9兆6千億円)超に達して注目を集めた。

 SBGは投資事業の不振で2023年3月期まで2年連続で巨額の赤字を計上しており、アーム株を生かした資金調達など財務基盤の改善を急ぐ考え。孫氏は投資を再び積極化していく方針を既に示している。

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