【MLB】Dバックスが決死のブルペンリレーで初戦を制す ブリュワーズは好機に後一本出ず

写真:3回表、ケーテル・マーティが同点のホームランを放つ

両軍合わせて投げた投手は14人。先発合わせて7人ずつの投手を起用しあったブルペン対決はダイヤモンドバックスに軍配が上がった。

両軍の先発はDバックスがルーキーのブランドン・ファート、ブリュワーズがエースのコービン・バーンズ。

先手を取ったのはブリュワーズだった。初回ファートから連打でチャンスを作ると、3番のカルロス・サンタナの当たりは二塁手のグラブの先をゴロで抜け、二塁ランナーのクリスチャン・イェリッチが生還。1点を先制する。

このまま畳み掛けるかと思われたが、ここはファートが踏みとどまった。三者連続三振を奪い、最少失点で切り抜ける。

しかしブリュワーズ打線はファートを逃がさない。3回裏には一死二塁から9番のタイロン・テイラーがレフトへ豪快なホームラン。3点目を追加し、いよいよセーフティリードかと思われた。

このままブリュワーズが押し切るかと思われたが、3回表に思わぬ落とし穴が待ち受けていた。一死から9番のヘラルド・ペルドモが出塁すると続く1番のコービン・キャロルは真ん中低めの変化球を強振。打球はライトスタンド上段に飛び込み、たちまち一点差とすると、さらには続くケーテル・マーティへの初球。内角のカッターを捉えた打球は低い弾道でスタンドに突き刺さり、同点のソロホームランとなった。一発攻勢でダイヤモンドバックスが追いつき、試合は振り出しに戻る。

しかしブリュワーズも負けてはいない。一死からサル・フリーリックが内野安打で出塁すると、ウィリー・アダメスはレフト線にしぶとく落とすツーベースヒット。2、3塁のチャンスを作り、再び突き放すかと思われた。

しかし、ここからはダイヤモンドバックスのブルペン陣が踏ん張った。ファートがアウトを取って二死2、3塁としたところでこの状況でDバックスのトーリ・ロブロ監督はファートを諦め、二番手のジョー・マンティプリーにスイッチ。代わったマンティプリーは後続を切り、ピンチを脱した。

すると、これに応えるかのように若き女房役が見事な一振りを見せる。4回表、先頭打者のガブリエル・モレノが5球目のスライダーをフルスイングし、バックスクリーン左へ。勝ち越しのホームランを放ち、ついにDバックスがリードを奪った。モレノは今日で23歳231日。プレーオフでホームランを放った捕手としては二番目に若い記録となった。

ただ、リードはわずか1点。Dバックスはこのあと4回裏には早くも3番手のミゲル・カストロにスイッチ。次々に救援投手をつぎ込む決死の救援リレーに入っていく。

救援陣勝負ならばブリュワーズも望むところだ。クレイグ・カウンセル監督は5回、先頭から連続四球を与え、ピリッとしないバーンズを降板させることを決断。剛速球右腕のアブナー・ウリベにスイッチした。ウリベはバーンズの残したランナーを返すことなく凌ぎきり、1点差でDバックスを追う。

だが、このあとDバックスは驚異的な粘りを見せた。5回裏、一死満塁の場面で上がったライアン・トンプソンは三塁を守るエバン・ロンゴリアのスーパープレーもあってこの回を無失点に凌ぐと、続く6回裏もランナーを出しながら無失点。さらに7回からは8回の男ケビン・ギンケルが登板し、闘志あふれる投球を披露。回跨ぎとなった8回には三者連続三振を奪い、大きな雄叫びをあげた。

この救援陣の粘りに打線も応える。9回表、マウンドにはブリュワーズの絶対的クローザーであるデビン・ウィリアムズ。ただ、この日は制球が定まらず、四球で二死2、3塁とすると、バッターは4番のクリスチャン・ウォーカー。110敗を喫した低迷期を知るベテランがフルカウントからの6球目を振り切ると打球はセンターのはるか頭上を越え、試合を決定づける二点タイムリーツーベースヒットになった。これで6-3。Dバックスが完全に優位に立った。

最後は抑えのポール・シーウォルドが締め、試合終了。Dバックスが先勝となった。

下馬評ではブリュワーズ絶対有利と見られた第一戦だが、結果としてはDバックスが接戦を制し、ディビジョンシリーズ進出へ王手をかけた。これで明日Dバックスはザック・ギャレン、第3戦にはメリル・ケリーを投入できることになり、俄然有利な状況を作ることができたと言えるだろう。レギュラーシーズン終盤不調に陥った打線が奮起したのも大きかった。

一方、ブリュワーズは相手を上回る12安打を放ちながらもあと一本に泣いた。Dバックスの堅守や不運にみまわれた部分もあるが、かねてから問題視されてきた長打力不足が決定力不足を招いたとみるべきかもしれない。ただ、捕手のウィリアム・コントレラスが二度盗塁を刺すなどDバックス自慢のスピードを封じ込めたのは大きかった。明日のギャレンを打ち崩し、勢いに乗る相手を封じ込めればまだまだ十分にチャンスはあるはずだ。

両者は日本時間の明日8:08から第二戦に挑む。

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