【MLB】地力に勝るフィリーズが危なげなく先勝 マーリンズはプレーオフ巧者ぶり発揮できず

写真:7回途中1失点の投球を見せたザック・ウィーラー

昨年ナショナルリーグを制したフィリーズが今年も危なげなく初戦を取った。

フィリーズがザック・ウィーラー、対するマーリンズがヘスス・ルザードの両先発で試合開始となった第一戦。いきなりチャンスを作ったのはフィリーズだった。

1回裏、先頭のカイル・シュワーバーがライト前ヒットで出塁すると、続くトレイ・ターナーはレフトへのツーベースヒット。電光石火の攻撃で大チャンスを作る。しかし、ここはルザードが踏ん張った。今季ついにブレークを果たし、キャリア初の規定投球回と二桁勝利をマークした若きサウスポーが続く三人を抑え、無失点で切り抜けた。

一方フィリーズ先発のウィーラーは3回までランナーわずか1人、そのランナーもダブルプレーで仕留めたため、3回まで打者三人ずつの素晴らしいピッチング。13勝、防御率3.61ながらFangraphs算出の総合指標WARでは30球団中トップの5.9をマークした実力派エースがマーリンズに付け入る隙を与えない。

この好投に応えたいフィリーズ打線は3回裏、先頭のヨハン・ロハスが出塁するとワイルドピッチで二塁へ進塁。そして二死から3番のアレック・ボームが三塁線へのタイムリーツーベースを放ち、1点を先制した。さらに4回裏にはブライソン・ストットとクリスチャン・パチェがタイムリーヒットを放ち2点を追加。3-0とする。

こうなると俄然有利なのは戦力が豊富なフィリーズだ。ウィーラーはこの後も好投を続け、7回にブライアン・デラクルーズにタイムリーヒットを許すまで無失点投球を継続。失点し、ピンチを作ったことでマウンドを降りたものの、6 2/3イニングを被安打5、奪三振8、与四球0のほぼ完璧な投球を披露。エースとしての役割を十二分に果たし、ブルペンに試合を託した。

二死1、2塁の場面からウィーラーの後を継いだのは経験豊富なホセ・アルバラード。暴投でピンチを広げる場面もあったものの、ユリ・グリエルを三振にしとめピンチを脱出。グリエルは昨年ワールドシリーズで辛酸を舐めさせられたアストロズに所属していた相手だが、ここはきっちりと借りを返してみせた。

このあとフィリーズはジェフ・ホフマン、そしてクレイグ・キンブレルへと危なげなく継投。最後までマーリンズの粘りを寄せ付けず、4-1で勝利を飾った。

結果としてみれば力量にまさるフィリーズが危なげなく勝利を収め、ディビジョンシリーズ進出へ王手をかける形となった。マーリンズは伝統的にポストシーズンに強く、過去3度のポストシーズン出場で2度ワールドシリーズを制している、「乗せると怖い」チーム。それだけに、フィリーズとしては初戦をきっちり勝ちきったのは大きいのではないだろうか。

対するマーリンズだが、絶対的エースのサンディ・アルカンタラを欠く中初戦をルザードで落としたのは痛かった。戦力的には劣るため、なんとか先手を取って相手を追い詰めたかったが、逆に追い詰められる形になってしまったのは辛いところだ。厳しい戦いが続くが、9月から10月で7つの貯金を作った勢いを取り戻し、流れをひっくり返すことはできるだろうか。

両者は明日第二戦を戦う予定だ。

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