救命胴衣に衛星利用測位システム(GPS)機器を装着し、津波で流された人を早期に発見するシステムの実証実験が4日、宮城県南三陸町の海上で行われた。位置情報を警察や海上保安庁などに提供し、迅速な救助につなげるのが狙い。学校や職場への配備を想定し、来年5月ごろの実用化を目指す。
実験では、GPS機器付きの救命胴衣を装着したダイバーが沖合約5キロの志津川湾に入り、町役場に設置した受信機で位置を特定。詳細な緯度や経度を捜索船に伝達し、位置の把握から10分以内で救出した。
南三陸町の佐藤仁町長は「一人でも多くの人の命を救うため、より実効性があるものにしたい」と話した。