アペックス負債92億円 県内過去10年で最大

民事再生で再建を目指すアペックス=4日午前10時、金沢市東蚊爪町

 3日に民事再生法の適用を申請した運送業アペックス(金沢市東蚊爪町、沖野幸一代表)の負債総額が約92億円に上ることが東京商工リサーチ、帝国データバンク両金沢支店の調べで分かった。石川県内で負債50億円を超える倒産は2013年の東京ストアー以来で、過去10年で最大となる。今後、営業を継続しながらスポンサー企業を探す。関連会社も事業を続ける。

 両支店によると、アペックスは1978(昭和53)年設立。北陸三県の食品スーパーやコンビニエンスストア、飲食店などの配送を担い、運送会社などのM&A(企業の合併・買収)を進めて業容を拡大した。

 23年3月期の売上高は約47億9200万円となったが、M&Aや設備投資の資金を金融機関の借入金に依存しており、投資に見合う収益が上がらない中で資金繰りが悪化。今年9月末に元利返済が困難となり、私的整理による再建の見通しも立たなかった。

 アペックス傘下には、タクシーや貸し切りバス事業の「なるわ交通」(金沢市)や、温浴施設の「和おんの湯」「天然温泉 湯来楽(ゆらら)内灘店」の運営会社が入っている。

 アペックスは10日、金沢市堀川新町の井門金沢ビルで債権者説明会を開く。

© 株式会社北國新聞社