政府、辺野古移設方針を堅持 工事長期化、手続き急ぐ

米軍普天間飛行場の移設先として工事が進む沖縄県名護市辺野古の沿岸部。手前は大浦湾=5月

 政府は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の固定化を回避するための「唯一の解決策」(松野博一官房長官)として、名護市辺野古への移設方針を堅持する。埋め立て予定海域で見つかった軟弱地盤の影響で移設作業のさらなる長期化は不可避となっており、地盤改良工事の着手に向けて手続きを急ぐ方針だ。

 設計変更の承認指示に応じない沖縄県の玉城デニー知事に代わり、政府が承認する「代執行」を視野に、法律にのっとった手続きを進める。

 松野氏は4日の記者会見で、辺野古移設に関し「普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現し、危険性の除去につながる」と強調した。沖縄では県外移設などを求める声が強いものの、政府は東アジアの安全保障環境が厳しさを増しているとして、南西諸島の防衛力強化と米軍の拠点維持のためにも辺野古移設が不可欠との立場だ。

 埋め立てを巡り、政府は当初5年としていた工期を約9年3カ月に延長した。飛行場整備も含めると、事業が完了して米軍に引き渡すのは、地盤改良工事を開始してから約12年後となる見通しだ。

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