【MLB】恐怖の9番打者がシリーズ突破の立役者に レンジャーズの21歳新星カーター

写真:ポストシーズンで初めての本塁打を放ったエバン・カーター

10月4日(日本時間5日)、レンジャーズは7-1の大勝でレイズを下し、2011年以来12年ぶりにポストシーズンのシリーズ突破を果たした。

2連勝という最高の形でワイルドカードシリーズを終えたレンジャーズだが、この2試合の活躍で一気に名を挙げたのが新人外野手エバン・カーターだ。

カーターは9月8日にメジャーデビューを果たし、レギュラーシーズンではほとんどの試合で9番打者として出場。レギュラーシーズンでの成績は23試合に出場し打率.306、5本塁打、12打点、OPS1.058、3盗塁という新人とは思えないハイレベルなものだった。

このワイルドカードシリーズの2試合でもカーターは「9番・左翼」で先発出場。1戦目は2本の二塁打と2四球で全打席出塁。守備でも、抜ければあわや先制点という当たりをダイビングキャッチしてみせた。2戦目では2点先制した4回表二死三塁から2ラン本塁打。打線が低調だったレイズにとっては、この一撃がとどめになったかもしれない。

カーターの最大の魅力は優れた選球眼だ。レギュラーシーズンでは、75打席とサンプル数は少ないながら、ボール球スイング率9.0%を記録した。この数値は今季50打席以上立った打者の中では圧倒的なトップ。MLB最高峰の選球眼を持つといわれ、3年連続で両リーグ最多四球数を記録しているパドレスのフアン・ソトが今季16.6%だったことを考えると、このカーターの9.0%という数値がいかに高水準なのかがわかるだろう。

このシリーズでは8打席にたち、3安打4四死球と7度出塁している。約1ヵ月前に21歳になったばかりのカーターにとっては浮足立ってもおかしくないほどの大舞台のはずだが、その選球眼はいつも以上に冴えわたっているようだ。

今回レンジャーズが下したレイズは、2020年にワールドシリーズに進出。その際にチームを引っ張ったのは当時新人だったランディ・アロザレーナだ。アロザレーナはワイルドカードシリーズからワールドシリーズまで打ち続け、ポストシーズン新記録の10本塁打を放った。この年のアロザレーナもレギュラーシーズンでは今季のカーターと同じ23試合の出場で、OPS1.000以上の活躍を見せていた。

驚異の新人カーターは、3年前のアロザレーナのようにチームをワールドシリーズまで導くことができるだろうか。

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