英国王室が“封印”した事件を映画化『バンク・ジョブ』でステイサム予習! ガイ・リッチー監督との再タッグ作『オペレーション・フォーチュン』公開記念

『バンク・ジョブ』© 2007 Baker Street Investors, LLC. All Rights Reserved.

16年ぶりのタッグ作『キャッシュトラック』(2021年)で相変わらずの好相性ぶりを見せつけたジェイソン・ステイサムとガイ・リッチー監督が早くも再タッグを組んだ、『オペレーション・フォーチュン』が2023年10月13日(金)より全国公開となる。

エンタメに振り切った“陽”のステイサム×リッチー映画

『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』(1998年)や『スナッチ』(2000年)などの軽快なクライムアクション、そして思いっきりダークな方向に振り切ったバイオレンスアクション『キャッシュトラック』で新たな可能性を感じさせた最強タッグが贈る最新作『オペレーション・フォーチュン』。本作は、ゼロ年代リッチー監督作を彷彿させた『ジェントルメン』(2019年)とも異なる、よりエンターテインメントに振り切った“陽”のリッチー映画である。

予告映像からも分かるように本作はスパイ映画をベースにした、いわゆるケイパーもの。そしてステイサム作品にしては珍しくコメディ要素もあり、その多くを今大人気のオーブリー・プラザが担っている。もう一人の相方を演じるバグジー・マローンの本業はラッパーで、『ジェントルメン』に続いての出演だ。

ステイサムが演じるオーソン・フォーチュンは“最強のスパイ”だが、様々な欠点も抱えていて人間味たっぷり。豪華な世界ロケでこんなにカジュアルなスパイアクション大作を撮ってしまうリッチーには余裕すら感じさせるし、ならばこちらも肩の力を抜いてたっぷり楽しんでやろうじゃないの、という気分にさせる快作に仕上がっている。

『オペレーション・フォーチュン』は2023年10月13日(金)TOHOシネマズ 日比谷他全国ロードショー

英国王室が“封印”した実際の強盗事件を映画化!『バンク・ジョブ』

いまや「彼が出てるなら観る」というほど熱烈なファンを抱えるスター俳優となったステイサムだが、出世作『トランスポーター』シリーズや『アドレナリン』シリーズを経て、『エクスペンダブルズ』シリーズに参加する直前の絶妙なタイミングで公開されたのが『バンク・ジョブ』(2008年)だ。

本作の監督ロジャー・ドナルドソンは、トム・クルーズ主演の青春物語『カクテル』(1988年)や、美女エイリアンの侵略SF『スピーシーズ 種の起源』(1995年)、ピアース・ブロスナン主演のディザスターもの『ダンテズ・ピーク』(1997年)、アルパチーノとコリン・ファレル共演の骨太サスペンス『リクルート』(2003年)などで知られる実力派。その手腕は“手堅い”と評されることも多いが、『バンク・ジョブ』は実話をベースにしているだけあって、他の監督作とは一味違うリアルな面白さがある。

1971年の英ロンドンが舞台となる物語のベースは、同年に起こった「ベイカー・ストリート強盗事件」と呼ばれる実際の事件。狙った銀行の2軒も隣の店舗から金庫室の床までトンネルを掘り、相当な額を盗み出したという豪快な事件だ。しかし金品よりも問題だったのは、盗品の中にマーガレット王女(エリザベス女王の妹)の“良からぬ写真”が含まれていたこと。この事件を受けて国防機密報道禁止令が出されたという事実からも、英国政府/王室の慌てぶりがよく分かるだろう。

ゆえにこの事件は直ちには報道されず、35年も経ってからあるジャーナリストの取材によって明らかにされた。内容が内容だけに“ステイサム無双”を楽しむようなアクション作品ではないが、過去出演作で言えば『ミニミニ大作戦』(2003年)などが好きならばマストで観ておきたい、クセ者たちの駆け引きと大胆な犯行がスリル満点の名作だ。

『バンク・ジョブ』はCS映画専門チャンネル ムービープラスで2023年10月放送

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