ラオス鉄道に中国マネー 依存に懸念、観光に寄与

ラオス中国鉄道の「復興号」=9月、ラオス北部のルアンプラバン(共同)

 中国の巨大経済圏構想「一帯一路」の一環で建設された「ラオス中国鉄道」が、観光客らの人気を集め、ラオス経済の回復に寄与している。中国が総工費の7割を拠出し、ラオス側負担分も大半を融資。主要な観光地では中国人の姿が目立ち、人民元や中国の電子決済を利用できる店舗も増えているため、ラオスの中国依存が一段と強まる可能性が指摘されている。

 ラオスの首都ビエンチャンに建つ真新しく巨大な駅舎にはラオス語と中国語で駅名が表記されている。ラオス人に加え、中国やタイ、欧米諸国の観光客らが列車を待っていた。ホームに滑り込んできたのは緑色の車体が特徴的な「復興号」。ラオス国旗の赤、青、白で塗装された「瀾滄号」も運行されている。

 ラオス中国鉄道は2021年12月に開通した。現在は中国雲南省昆明―ビエンチャン間の約1035キロを10時間半で結ぶ。総工費は約60億ドル(約8900億円)で中国が大半を負担し、ラオスが返済できずに中国の圧力に屈せざるを得なくなる「債務のわな」に陥る懸念が指摘される。

ラオスの首都ビエンチャンの駅で、「ラオス中国鉄道」に乗るため列を作る観光客ら=9月(共同)

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