飼い主が絶対にすべきではない『愛犬への強要』3つ!与えかねない悪影響や必要な配慮まで

飼い主が絶対にすべきではない「愛犬への強要」

飼い主による愛犬への強要は、犬に不安や恐怖心を与えるだけではありません。飼い主から強要されたことによって、愛犬は体と心のバランスを崩し、健康的に生きられなくなってしまうことがあります。

抵抗する強さを持つ犬の場合には、攻撃的になったり、咬みついたり、飼い主や家族に危険が及ぶことがあります。また、抵抗することもできず、ただジッと耐えることしかできない犬にとっては、苦痛の毎日です。

飼い主が普段何気なく行っていることが、実は愛犬への強要である可能性があります。この機会に、どのようなことが「愛犬への強要」に当たるのか、ぜひ一緒に考えてみましょう。

1.ごはんを食べる時に長時間の「待て」をさせること

飼い主が絶対にすべきではない愛犬への強要は、ごはんを食べる時に長時間の「待て」をさせることです。

ごはんを食べる時に「待て」をさせる目的は何でしょうか。飼い主と愛犬のスキンシップかもしれません。そわそわと落ち着きのない愛犬に落ち着いて食事をしてもらうためかもしれません。

「何分待てるかな?」という遊びのために長時間の待てをさせること、それを動画に撮ってSNSで話題になったらいいなと考えることは、絶対にすべきではない愛犬への強要だと思います。

食事をするということは、犬にとって、生きるということです。ちゃんと「待て」ができなければいつまでも食べられない、ということが起きてはならないと思います。

「待て」と声をかけた後、3秒も待つことができれば、愛犬と飼い主のスキンシップやコミュニケーションとして十分なのではないでしょうか。ごはんが嬉しくて大興奮し、落ち着きがなくなってしまうのであれば、「待て」をさせること以外の対策を考えてみてください。

2.服を着せること

飼い主が絶対にすべきではない愛犬への強要は、服を着せることです。

嫌がる愛犬に服を着せる目的は何でしょうか。愛犬を可愛く見せるための服は、犬にとって不要なものです。服なんか着なくたって、被毛をブラッシングで整えるだけで十分に可愛いです。

レインコートを嫌がるのであれば、お散歩の後のケアを十分にしてあげればよいです。防寒服を嫌がるのであれば、お散歩の前後に体を温めてあげればよいです。

冬は、服を着ることの暖かさを知り、嫌がらなくなる犬もいます。そうでないのであれば、嫌がる犬に服を着せることは強要に当たると思います。

ただ、皮膚病の治療など、健康上の目的があって、どうしても服を着てほしいことがあると思います。そのような時は、無理強いするのではなく、少しずつ慣れてもらえるように、服を着る練習をしてみましょう。

3.お散歩拒否をする犬を引きずって歩くこと

飼い主が絶対にすべきではない愛犬への強要は、お散歩拒否をする犬を引きずって歩くことです。

室内でトイレをすることができ、どうしても外に行かなければならない事情がないのであれば、無理にお散歩に行く必要だってありません。

室内でも運動はできます。今日お散歩に行かなかっただけで、健康を害してしまうこともありません。犬にだって、お散歩に行きたくない気分の日があります。体調が優れない日があります。

お散歩の途中で歩かなくなってしまうことにも必ず理由があります。だからと言って、引きずって歩いたり、無理にリードを引っ張ったりはしないであげてください。

お散歩が嫌いになってしまいます。首輪であれば、気管を傷めてしまいます。潰れた気管は元には戻りません。ハーネスであれば、脇腹や脇の下が脱毛したり、皮膚に炎症や傷ができたりすることがあります。

お散歩は、愛犬と飼い主のスキンシップやコミュニケーションの時間です。楽しむことが何より大事です。歩かなくなった時は休憩し、時間がないのであれば抱っこするなど対応しましょう。

無理に引きずらなくても、「歩こう?」「帰ろう?」と優しく声をかけることで歩き出してくれると思います。

まとめ

飼い主が絶対にすべきではない愛犬への強要を3つ解説しました。

  • ごはんを食べる時に長時間の「待て」をさせること
  • 服を着せること
  • お散歩拒否をする犬を引きずって歩くこと

なぜ強要してしまうのか。それは、飼い主が自分の都合や気分を優先しているからなのではないでしょうか。

それは愛犬のためになることなのか、ということを考えて行動することができれば、愛犬への強要はなくなると思います。

(獣医師監修:寺脇寛子)

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