国会対策の生き字引!日本共産党・穀田恵二衆院議員が語る国対委員長の仕事とは?野党共闘の課題とは?選挙ドットコムちゃんねるまとめ

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2023年10月4日に公開された動画ではゲストに日本共産党衆院議員の穀田恵二氏をお招きし、国対委員長の仕事や野党共闘、集団的自衛権について語っていただきました。

27年目の大ベテランが語る国対委員長の役割とは?

【このトピックのポイント】
・国対委員長の仕事は党の要求を通すこと以上に審議と信義を尽くすことが重要
・野党共闘は自公政権に立ち向かうために必要なもの。批判は相手が恐れている証拠
・浜田防衛大臣は集団的自衛権の行使によって日本に大規模被害が発生する可能性に言及

穀田氏のプロフィールは以下の通りです。

穀田氏は学生運動の盛んな時期に立命館の職員として勤務。そのことが政治に目を向けるきっかけの1つでした。

1993年に旧京都1区で衆院選に初当選。現在10期目で国対委員長を26年務めています。次期衆院選には立候補しない意向を発表しており「余力があるうちに次の方にバトンタッチしたいなと思いまして」とコメントしました。

今回は以下の質問からいくつかピックアップして穀田氏に回答していただきました。

国対委員長ってどんな仕事?

穀田氏が引退を発表した際、小池晃書記局長は「党派を超えて非常に信頼を集めた政治家」と穀田氏を評価しました。

実際、国対委員長就任20周年パーティーには野中広務氏や小沢一郎市氏、二階俊博氏などそうそうたるメンバーが出席しています。

当時のことについて穀田氏は儀礼的な出席の側面もあるとしつつ、「スピーチがとても嬉しかった」と振り返りました。

他党との交渉が多い国対委員長。自分の党の要求を通すために働きかける仕事ならではのつらさ、大変さがありそうですが穀田氏は「そういう意見もあるけど」とあまり気にしていないようです。

穀田氏は国会の役割について唯一の立法機関であること、そして政府をチェックする機能を持つことに言及。

「(自分の党の)要求を実現しようということはあるんですけど、(中略)信義をどう尽くすかという問題ですよね」と、議論のプロセスを重要視する見方を示しました。

その上で、「審議と信義に心を砕いてきた」と穀田氏。徹底的に話し合うこと、そして信頼関係が重要であると語りました。

一方で昨今の与野党国会対策委員長会談などの様子を挙げ、審議と信義の両方が希薄になっているとコメントしました。

野党共闘の課題は?

9月14日、「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」(市民連合)の呼びかけで立憲、共産、れいわ新撰組、社民の4党の幹事長・書記局長が意見交換を始めました。

穀田氏は、2015年の安保法制の強行採決、そしてそれに反対する市民連合の結成が野党共闘路線のきっかけだと説明。その原点は「安保法制の廃止と立憲主義の回復」と続けました。

また、小選挙区制の中で自公連立に立ち向かうためには「立憲主義に基づく共闘以外に勝てない」とコメントします。

さらに、2021年の衆院選では野党共闘によって59の選挙区で勝ったことなどを挙げ「成果・実績に確信を持ってやろうじゃないかというのが私たちの今の筋」と野党共闘に肯定的な姿勢を示しました。

MC鈴木邦和も「選挙ごとの得票数とかを見ると野党共闘はやっぱり成果あるなと感じた」と同意します。

野党共闘がたびたび批判を浴びている点について、穀田氏は「相手が妨害しているということは彼らは恐れおののいているということ。それくらいどーんと構えてやったらどないやと思いますけどね」と成果の表れであることを強調しました。

また、安全保障政策の違いがある点については、安保法制の廃止という点で一致しており、「それを超えてやろうとは言っていない」と反論。「そこ(一致点)を飛び跳ねて色々攻撃されたらね、違うやないの」とコメントしました。

集団的自衛権での敵基地攻撃!何が起きる?

2023年2月の予算委員会で浜田靖一防衛大臣は、日本が武力攻撃を受けていないもとで集団的自衛権の行使として敵基地攻撃を行い、相手国から報復攻撃を受けた場合、「日本に大規模な被害が生じる可能性も完全に否定できない」と認めました。

穀田氏「要するに大規模な被害が起きるということですわな。それを認めたというのは極めて重要な内容だと思うんですよね」

この答弁を引き出したのは穀田氏。当時のことについて「否定するのかなと思っていた」「浜田さんは防衛問題に精通された方。(中略)そういう点でもこの答弁についても嘘を言わないからですから、その意味では極めて重大だと思っています」と振り返りました。

また、「この問題は安保法制の危険性を如実に示したもの」とコメント。政府の理論では、大規模な被害が生じる可能性があるから自衛隊の記事の強靭化が必要となり、軍事費の強化が必要という話につながっていきます。

これに対し、穀田氏はじめ共産党は、理論の起点である集団的自衛権そのものが憲法違反であるというスタンス。1972年の政府見解とも相違があると指摘します。

穀田氏によると、現状の背景にはアメリカが推進する統合防空ミサイル防衛(IAMD)があるとのこと。「日米会談で言われたことが、1つの始まりとなって大きく転換したというところを見ておく必要がある」と締めくくりました。

動画本編はこちら!

集団的自衛権で敵基地攻撃すると日本にも被害が?どういうこと?

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