多頭飼育するなら何匹まで?無理のない生活のために考えるべき3つのポイント

多頭飼育をする際の最適な頭数の目安

多頭飼育をはじめるきっかけは「野良猫を保護した」「もともと飼っている猫が寂しがり屋だから」、あるいは「たくさんの猫たちと一緒に暮らしたかった」など、人それぞれですが、2匹目3匹目を検討するときには『大変じゃないかな?』と不安になる人もいるでしょう。

無理なく過ごせるためには多頭飼育を決める前に適切な頭数を選ぶことが大切です。

最適な飼育頭数を決めるために参考となるのは、部屋の「広さ」、飼い主が猫のために使える「費用」と「時間」です。飼い主それぞれの事情が違ってくるため、厳密に何匹までとはいえません。

人に飼われている猫たちの人生は飼い主の生活の上に成り立っているため、自分と猫を含めた生活設計が最適な飼育頭数を決めるのに役立ちます。

無理のない多頭飼育生活のための3つのポイント

猫と飼い主が無理なく暮らすために考えるべきポイントは、以下の3つです。

1.ゆとりのある生活空間

生活空間の目安としては、居住可能な部屋数=頭数、または部屋数-1匹と考えておくとよいでしょう。

猫は自分のテリトリーを大切にする動物です。猫にとってはパーソナルスペース(1.5〜2m程度)が保てる広さが快適とされています。

静かにお昼寝をしたいとき、ケガや病気で隔離が必要になったとき、来客があるときに備えてゆとりある空間が必要です。

2.生活基盤を支える経済的な余裕

キャットフードやトイレ砂は年々高騰しています。フードも砂も毎日欠かせませんし、将来にわたっても必要なものです。

また、年齢とともに病院にかかることも増えるでしょう。たとえば、高齢猫に多い慢性腎不全になってしまった場合、病院にもよりますが、定期的な通院で月に数千円〜2万円程かかります。

これとは別に療法食なども必要となりますから、猫用の経済的な備えを作れるかどうかは多頭飼育をする上で大きなポイントです。

3.猫に費やせる時間

そして時間的な余裕は、意外に盲点になりがちです。人間の生活も年齢とともに変化していくものです。仕事や子育てなどで時間の余裕がなくなると、多頭飼育ほど十分なケアが難しくなる傾向にあります。

最近では自動給餌機や全自動のトイレなども売られていますので、上手に利用して猫たちと過ごす時間を作れるようにすると良いでしょう。

猫にとっての多頭飼育環境のメリット・デメリット

飼い主は愛猫たちには幸せに過ごしてほしいと願い飼育しますが、猫にとって多頭飼育の環境のメリット・デメリットは同居猫との相性が大きく関係してきます。

多頭飼育環境のメリット

メリットは、ほかの猫と過ごすことで適度な刺激があり、変化の少ない完全室内飼いでも猫たちの健康面やメンタル面に良い影響があるということです。

多頭飼育では先輩猫の遊び方を後輩猫が学ぶことがありますが、このような脳の活性化はストレス軽減につながります。また、じゃれあいや追いかけっこで自然に運動量が増えることもメリットです。

多頭飼育環境のデメリット

デメリットは、猫同士の折り合いが悪いとお互いに大きなストレスになることです。手を出すようになれば、心にも体にも良くありません。場合によっては隔離する必要があるかもしれません。

そうなってしまうと、それぞれの部屋が必要ですし、別々にお世話することで時間もかかるため飼い主の判断が重要になります。

まとめ

今回、紹介した「広さ」「お金」「時間」という3つは、猫と飼い主が幸せに過ごすだけでなく、猫の命・健康と特性を尊重するポイントでもあります。

現在、猫を飼っている世帯の平均飼育頭数は約1.8匹です。多頭飼育は猫を飼っている家庭ではとても一般的で、条件を整えれば難しいことではありません。ただし、多頭飼育には魅力がある一方で、その分の責任も大きくなります。

「もし猫同士の相性が悪かった場合は?」、「もし病気にかかったら?」など、将来のリスクを考慮した計画的な行動が多頭飼育を成功させる秘訣となるでしょう。

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