天安門事件連想で写真検閲 中国、杭州アジア大会

杭州アジア大会の女子100メートル障害決勝後、抱き合う林雨薇選手(左)と呉艶ニ選手=1日、中国・杭州(AP=共同)

 【上海共同】中国浙江省で開かれている杭州アジア大会で、女子100メートル障害の決勝後に撮影された2人の中国人選手が抱き合う写真が、中国の交流サイト(SNS)で検閲対象となった。ゼッケンが、1989年に中国当局が民主化運動を弾圧した天安門事件を連想させる並びだったため。香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト電子版が5日までに報じた。

 写真は1日の女子100メートル障害で金メダルを獲得した林雨薇選手と、呉艶ニ選手が抱き合った場面。2人が腰に付けたゼッケンの「6」と「4」が隣り合っていた。

 天安門事件は89年6月4日に発生。中国では今もタブー視されており、公の議論や追悼は事実上不可能となっている。

 写真は国営中央テレビが短文投稿サイト、微博(ウェイボ)に投稿したが、同紙は「一部の投稿では写真が灰色の四角形に置き換えられた」と伝えた。

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