犬を寝かせてはいけない『5つの場所』タブーと言われる理由と理想的な睡眠環境とは?

犬を寝かせてはいけない「5つの場所」

犬は1日平均12~15時間を眠って過ごします。シニア犬はさらに多くの時間を眠りに使うので、快適な睡眠環境が必須なのです。睡眠によってエネルギーを回復できたり、脳のメンテナンスや免疫力をアップも可能とも言われています。

愛犬にはストレスなく快適に眠ってほしいですよね。しかし実は、飼い主さんが良かれと思ってつくった寝床の場所が愛犬にとってはNGな場所かもしれません。

そこで今回は、犬を寝かせてはいけない場所とその理由についてご紹介します。

1.人の出入りが激しい場所

人が出入りするドア横や家族の通り道に寝床があると、犬は落ち着いて眠ることができません。犬は警戒心が非常に強いので、大好きな飼い主さんであっても人の気配がするたびに目を覚ましてしまいます。元々神経質な犬にとっては、さらにストレスになるでしょう。

ただし、飼い主さんの姿が全く見えないと不安になり、それがストレスになってしまう犬もいます。

愛犬の性格を考慮しながら、なるべく人の行き来が少ない静かな場所に寝床をつくってあげてましょう。

2.大きな音が出る場所

犬の聴覚はとても優れているので、テレビやスピーカーなど大きな音がでる場所のそばではなかなか眠りにつけません。

また道路に面した場所も、外の喧騒だけではなく、工事音や他の犬の吠える声などに敏感に反応してしまいます。

そのため犬を寝かせる場所としては、できるだけ音を拾いにくい、静かな落ち着いた場所が望ましいでしょう。

3.直射日光が当たる場所

窓際で日向ぼっこが好きな犬も多いと思いますが、直射日光が当たり寝苦しくなることも。

犬は体温調節が苦手なので、暑さ・寒さの温度管理は飼い主さんがしっかり行う必要があります。

特に夏場は熱中症になる危険性もあるため、十分に気をつけましょう。窓際だと日差しのみならず外の音も入りやすいため、犬を寝かせる場所としては窓辺からできるだけ離した方が良いですね。

4.エアコンの風が直に当たる場所

「犬が寝ながら暑いのはかわいそう」と、エアコンのある部屋に寝床をつくっている飼い主さんも多いと思います。決して間違いではありませんが、エアコンの風が直接愛犬に当たるのだけは避けてください。

寝ている間に体が冷えて下痢や風邪をひくなど健康被害になりかねません。エアコンを活用することは大事ですが、風向きや温度設定には気を配りましょう。

5.トイレのそば

犬は自分の寝床では排泄を避けるという本能が残っているので、寝る場所とトイレが近い距離にあるとストレスを感じることもあります。一般論になりますが柴犬などの日本犬は神経質な傾向にあるので、よりトイレのそばでは眠らないことも。

また、トイレのそばで寝ることで、その匂いに犬が慣れてしまい、適切な場所で排泄ができなくなる可能性もあります。

愛犬を寝かせる場所がトイレと近かった場合は、なるべく少しでも距離を置いて設置してあげましょう。

犬にとっての理想的な睡眠環境

ではここからは、犬にとって快適かつ理想的な睡眠環境について解説いたします。

犬にとっての理想的な睡眠環境をつくるには、次のポイントをおさえることが大切です。

  • 静かで薄暗い場所
  • 適温は20℃前後
  • 家族が見える場所
  • 姿勢を変えられる広さ
  • 毛布などを敷いた柔らかい場所
  • 衛生的

これらのポイントを押さえた場所としてはリビングの四隅か、リビングすぐ横の部屋が良いでしょう。

寂しがりやな子は家族がよく見える場所、ひとりで落ち着いて眠りたい子は静かで薄暗い場所、など愛犬の性格を考慮しながら寝床をつくってあげてください。

あまり広すぎる寝床だと逆に落ち着かないので、姿勢を変えられる程度の広さで十分です。また、寝床が固いと関節を痛める原因となるので、犬用ベッドに必要に応じて毛布などを敷いてくださいね。

犬用ベッドなどは定期的に洗い、寝床周辺のごみ掃除も必須です。犬は自分の匂いに安心するのであまり神経質になる必要はありませんが、不衛生にならないよう気をつけましょう。

まとめ

わたしたち人間だけではなく、犬にとっても睡眠は非常に大切です。犬にとっても睡眠は、十分な英気を養い、明日への活力となります。

今回のこちらの記事を参考にして、一度愛犬の寝床を見直してみるのも良いと思います。

愛犬が安心・快適にぐっすり眠れるように、飼い主として出来る限りのサポートをしてあげましょう!

(獣医師監修:寺脇寛子)

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