北前船ゆかりの地 交流拡大を 岡山で寄港地フォーラム前夜祭

全国の自治体や企業のトップらが交流を深めた北前船寄港地フォーラムの前夜祭

 江戸、明治期の海運を担った北前船ゆかりの地が交流する「第33回北前船寄港地フォーラムinOKAYAMA」の前夜祭が5日、岡山市内で開かれた。地域間交流の拡大に向け、全国の自治体や企業のトップ、各国の大使館関係者らが親交を深めた。

 民間レベルのフォーラムでは国内最大級とされるイベントで、前夜祭には約360人が参加。実行委会長の松田久・岡山商工会議所会頭は「これだけ多彩な顔ぶれが岡山に集まることはめったにない。滞在中は各地を満喫してほしい」と呼びかけた。

 開催に協力する一般社団法人・北前船交流拡大機構(東京)の最高顧問でANAホールディングス相談役の大橋洋治氏(高梁市出身)は「人や物が交わることで新しい価値が生まれ、魅力ある文化が発展する。今回のフォーラムが岡山から日本を元気にするきっかけになれば」とあいさつ。海外からの参加もあり、駐日欧州連合(EU)代表部のジャン・エリック・パケ大使は「欧州の人々は日本が大好きで、インバウンド(訪日客)も戻ってきている。さらに関係を深めていきたい」と述べた。

 同フォーラムの岡山県内での開催は2017年に続き2回目で、今回は「北前船と吉備の穴海~海と川が織りなした文化・産業~晴れの国・岡山から世界へ」がテーマ。6日は大森雅夫岡山市長、伊東香織倉敷市長らが北前船の歴史や広域観光の方策についてトークセッションを繰り広げるほか、岡山、倉敷、玉野、備前、瀬戸内の県内5市で遺跡や観光地を巡る分科会などが行われる。

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