札幌、30年冬季五輪の招致断念 34年以降へ仕切り直し

札幌市中心部の大通公園に設置されている五輪マークのモニュメント=9月

 札幌市が2030年冬季五輪・パラリンピックの招致を断念する方針を固めたことが5日、分かった。複数の招致関係者が明らかにした。34年大会以降の開催を目指す方針で、招致活動は仕切り直しとなる。11日に秋元克広市長が日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長と東京都内で会談し、最終確認するもようだ。

 東京大会を巡る汚職・談合事件の影響で、札幌市などでの開催支持率が伸び悩んでいた。30年度末とされる北海道新幹線の札幌延伸開業も遅れる可能性が高まっており、開催の先送り論が強まっていた。

 閣僚経験者は、今後の招致活動で34年大会に主眼を置く見方を示した上で「34年は34年で厳しい。無理なら38年も狙うということだ」と語った。

 JOCの山下会長はアジア大会を開催中の中国・杭州で取材に応じたが「いまコメントできることは何もない」と述べた。

 30年大会に関しては、スウェーデンやスイス、フランスも招致を検討。国際オリンピック委員会(IOC)は札幌市を最有力候補としてきたが、他の候補地に照準を切り替えたとみられる。

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