【タイ】外為相場を注視、介入の準備も=中銀総裁[金融]

タイ中央銀行(BOT)のセタプット総裁は4日の経済セミナーで、外国為替相場を注視しており、実体経済と乖離(かいり)した動きがみられれば介入する準備を整えていると明らかにした。バンコクポストが5日報じた。

バーツの対米ドル相場は下落基調が続いており、現在では37バーツ(約149円)を超えるまでに低下している。

セタプット氏は、バーツ安の要因として、米国の金利上昇、タイが大きく依存している中国経済の低迷などを挙げた。

今後のタイ経済については、観光と民間消費拡大によって回復するとの見通しを示した。今年のインフレ率は中銀目標の1~3%の範囲内で推移すると見込んでいる。

タイの財務状況については、外貨準備が2,450億米ドル(約36兆3,900億円)の高水準にあって堅調といえるが、高止まりしている公的債務が懸念されると指摘した。タイの公的債務の対国内総生産(GDP)比は62%となっており、インドネシアの38%、韓国の49%を大幅に上回っている。

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