個人情報1万3400人分入りUSB紛失 青森・野辺地町 漏えい確認できず

USBメモリー紛失を陳謝し、頭を下げる野村町長

 青森県野辺地町は5日、新型コロナウイルスワクチン接種済みの町民ら約1万3400人分の個人情報が入ったUSBメモリーを紛失したことを明らかにした。USBには氏名や住所、生年月日、性別、接種履歴などが含まれている。パスワードはかけられていなかったが、外部への情報漏えいは確認されていないという。同日の町議会議員全員協議会で報告した。

 紛失したのは健康づくり課が業務で使用していたUSB1個。職員のパソコンにデータを移動する際に使っていたという。紛失した約1万3400人のデータには、転出者約800人、死亡者約550人も含む。同町の9月30日現在(住民基本台帳)の人口は1万2095人。

 同課職員が8月31日午後3時ごろ、保管場所にUSBがないのに気づいた。最後に使ったとみられる同課の別の職員に確認したところ、前日午後5時半ごろ、保管場所にしまった-と答えた。その後、課内職員に確認し、執務室や同課が入る町健康増進センターなどを捜したが、見つからなかった。町は9月29日に野辺地署に遺失物届を出した。

 町は、使用管理簿を使っていなかったことや、鍵がかかっていない引き出しで保管するなど、適正な管理が行われていなかったことが発生原因とみている。

 今後は暗号化対応型のUSBへの切り替えなど、再発防止策を講じ、死亡者を除く全員に文書で謝罪するとともに、課内に相談窓口を設ける。

 野村秀雄町長は同協議会で「町民に多大なるご迷惑とご心配をおかけすることになり、心から深くおわびする」と陳謝。監督責任として、自身の給料を2カ月間10分の1減額し、江刺家和夫副町長の給料も1カ月間10分の1減額する方針を示した。今月中に臨時町議会を開き、関係条例を提出する。

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