青森ねぶた祭、4年ぶり黒字 有料席販売が目標超え

実行委の会合で、今夏の青森ねぶた祭を総括する佐藤実行委員長(奥中央)

 青森ねぶた祭実行委員会は5日、今夏の祭りの収支決算が1424万円の黒字となる見込みを明らかにした。黒字決算は、新型コロナウイルス禍以前の2019年度以来4年ぶり。有料観覧席の販売が好調で、予算を組んだ時点での見込み額よりも収入が増えた。実行委は、観覧席の販売実績が「新型コロナ禍以前の状況に戻ってきた」と評価した。同日、青森市の「ねぶたの家ワ・ラッセ」で会合を開き、報告した。

 収入は2億4466万円で、予算額を3216万円上回った。観覧席収入が1億8159万円と、全体収入の7割超を占めた。実行委は当初、販売目標を4万8千席と設定していたが、祭り期間中(8月2~7日)の販売実績は5万3941席だった。新型コロナの影響が落ち着き、観光客の動きが活発化したことを背景に、前年度よりも実績が約1万席増えた。

 支出は、予算額に比べて1791万円多い2億3042万円。物価高や人件費アップなどが影響したが、収入も増えたため黒字を確保できる見込みとなった。

 人工知能(AI)による画像解析を集計に取り入れた本年度の人出は101万人、ハネトの人数は11万800人だった。

 佐藤健一実行委員長は「多くの方々が来てくださって観覧席の売り上げが伸び、天候にも恵まれた。4年ぶりに制限のない祭りとなり、青森ねぶたが市民にとって、ねぶたを愛する全国の皆さんにとって、いかに大事な祭りかを確認できた」と総括した。

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