将棋の藤井聡太七冠(21)の負けられない防衛戦、「竜王戦七番勝負」第1局が始まりました。
相手は“藤井を泣かせた男”と呼ばれる伊藤匠七段(20)、同学年対決に注目です。
(藤井七冠 5日の前夜祭で)
「同学年だがこれまでは対戦する機会は多くなかったので、対戦できることをとても楽しみにしている」
(伊藤七段 5日)
「タイトル戦という舞台は子どもの頃から憧れていた」
優勝賞金4400万円。将棋界最高峰の「竜王戦七番勝負」が6日朝、東京のセルリアンタワー能楽堂で開幕しました。
3連覇を目指す藤井七冠に挑むのは同じ2002年生まれ、同学年の伊藤匠七段。21世紀生まれの棋士同士のタイトル戦は史上初です。先手後手を決める振り駒で、藤井七冠は後手になりました。
5日、互いの印象について2人はこう話しています。
(藤井七冠)
「序盤がとても洗練されていて、また中盤以降も攻めの鋭さと粘り強さを兼ね備えていて本当に高い実力を持っている」
(伊藤七段)
「中終盤の正確さが圧倒的に優れているという印象。本当に最強の棋士」
小3の時は伊藤七段が勝ち 藤井七冠は号泣
初めてのタイトル戦で挑む相手が、八冠独占に王手をかけた同年代の絶対王者。
しかし実はこの2人、小学3年生の時に対局していて、このときは伊藤七段の勝ち。藤井七冠は号泣したといいます。
この様子を見ていたのが、大会を企画した頴川栄治さんです。
(頴川栄治さん)
「突然ホール内に響くような泣き声だったんですよ。そして私が(藤井七冠を)慰めにかかるんですが、30秒くらいは泣き止まなかった」
このとき以来「藤井聡太を泣かせた男」とも呼ばれている伊藤七段。
2021年度には新人賞と勝率1位を獲得し、藤井七冠の「5年連続勝率1位」を阻止。
今回、強豪ひしめくトーナメントを勝ち上がり、永瀬拓矢王座(31)との直接対決を制して、竜王戦への挑戦権をつかみました。
「自分を引き上げてくれた存在」
(伊藤七段)
「自分は常に藤井七冠を追いかけてここまで来られた気がするので、自分を引き上げてくれた存在」
史上最年少でプロ棋士になった藤井七冠の背中を追いかけ、ついに実現した最高峰のタイトル戦対決。対局について2人は。
(藤井七冠)
「大変なシリーズになるかと思っていたので、きょうに向けてコンディションを整えてこられればと思っていた」
(伊藤七段)
「緊張しています。気持ちを盤上で表現していけたら」
竜王戦は先に4勝すればタイトル獲得。竜王戦第1局は、7日夜に決着する見込みです。