龍宮城「現場は出会いと学びにあふれていて刺激的」ドラマ初挑戦に懸ける思いを明かす――「秘密を持った少年たち」インタビュー

日本テレビほかで今夜10月6日からスタートする金曜ドラマDEEP「秘密を持った少年たち」。人を襲い血を吸って生きる“夜行(やこう)”が存在する世界を舞台に、秘密を抱えた少年たちが残酷な運命にあらがうエロティックサスペンスだ。

映画「リング」シリーズや「スマホを落としただけなのに」などを手掛けた中田秀夫が監督を務めることでも期待が高まっている本作。今年1月から放送されたオーディション番組「0年0組-アヴちゃんの教室-」(同局)から誕生したオルタナティブ歌謡舞踊集団・龍宮城メンバー(佐藤海音、西田至、米尾賢人、冨田侑暉、竹内黎、伊藤圭吾、齋木春空)が初めてドラマ出演を果たし、龍宮城で“S”として活動している佐藤海音が、片思いの相手である幼なじみの吉野ユキ(大原優乃)を救うために、望まずして夜行になった主人公・光石玲矢を演じる。

TVガイドwebでは、本作で演技に初めて挑む龍宮城にインタビュー。本作の見どころや自身が担当する主題歌「SHORYU(→↓↘+P)」について、さらに、作品を構成する大きな要素の一つである“音楽”への思いを語ってもらった。

――皆さん、今回が初めてのドラマ出演ということですが、まずは皆さんの役どころをお伺いできますでしょうか?

佐藤 「僕が演じる主人公の光石玲矢は、気はあんまり強い方ではないのですが、好きな人や仲間のためなら強い思いを持って行動する役です。いい意味で自分が強く思うことに対して諦めないところが、少し自分に似ているのかなと思っていて。好きな人であるユキやバンドメンバー、玲矢に片思いをしているあずさ(川津明日香)など、それぞれに対する思いが見ている方にしっかり伝わるような演技ができたらいいなと思っています」

西田 「自分はこの役柄に“自然”のようなイメージを持っています。普段は穏やかで、すごく心が広くて美しい一面はあるんですけど、でも、牙をむくタイミングもあって…そういう気性の荒さみたいなのも内面には持っている。そして、今回、夜行という吸血鬼の役を演じるんですけど、そういう部分で人間とのギャップや、自分自身の存在理由をずっと探し続けながら演じていこうと思っているので、そういう葛藤みたいなものをうまく表現できればいいなと思っています」

伊藤 「僕の矢沢和馬という役は、夜行ですがほかの夜行に比べて歴は短くて、バンドメンバーの中でもいじめられるような、すごく立場の弱い存在です。でも、僕は和馬が一番愛を持っている夜行なんじゃないかなと思っていて。普段はいじめられているので、おびえていたり、すごい臆病で発言もあまりしないような子なんですが、深刻な場面に立った時など、いざという時にしっかり自分の思いを伝えられる。優しさからくる強さっていうのをしっかり持っている、和馬のそういうところが僕はすごく大好きです」

米尾 「僕はスーこと久保勧という役を務めます。今回、僕たちは演じる一人一人にすごい秘密があって、スーも秘密を抱えた1人です。すごく感情に揺さぶられやすい性格が自分と少し似ているのですが、スーはやると決めたことはしっかりやり通す一面があって、そこも少し自分と似ているのかなと思っています。実際の年齢はスーの方が少し上で違うのですが、そういう自分と同じところや違うところなどいろんな難しい壁はあるのですが、初めての演技で頑張っていきたいなと思います」

齋木 「僕が演じる岡部雅人という役は、過去の自分をすごく嫌っていて、過去の自分に劣等感を抱いている人物です。そのせいで、自分に自信が持てていない和馬や玲矢に対して強い当たりをしてしまったり、いら立ちを起こしてしまったりするのですが、感情的になってしまう部分では、少し自分に似ている部分があるのかなと思っています。自分もオーディションを受けていたころに、歌に自信が持てていないことがあって、そういう過去の自分に自信が持てていなかった点では似ているのかなって思っています。今後、雅人がどういう感じになるのか楽しみにしていただけたらなと思います」

冨田 「石橋ヒカルを演じさせていただきます。僕は、ヒカルが一番仲間への思いが強い人なのかなと思っていて…。ヒカルはどちらかというと、バンドのメンバーとはあんまりつるまない人柄のイメージで。そういう一歩引いて見ている感じは、龍宮城にいる時の自分とちょっと似ているかなと思っていて、ヒカルにはちょっと勝手に親しみやすさを感じています」

竹内 「僕が演じさせていただく麻見葉は享楽主義者で、自分の置かれた境遇でも最大限の喜びと楽しみを感じようとする、とてもミステリアスな存在です。一見、葉はものすごく強い人物のように見えるんですけど、でも多分その裏側には弱い自分がいて、それを認めたくない、隠したいという気持ちが大きい人物でもあるのかなと思います。登場する頻度はものすごく多いわけではないのですが、登場する時に衝撃的だったり、大事な発言をすることも多いので、ドラマにいいスパイスを加えられたらなと思っております」

――初のドラマ出演ということで不安に感じる部分もあったかと思うのですが、撮影の中で不安に感じていたこと、逆に楽しみにしていたことはありますか?

西田 「お芝居の経験はほぼない人ばかりだったので、そこに自信があるわけではなかったんですけど、デビューしてからはミュージックビデオの撮影など、自分たちの楽曲を通していろんなことを表現してきたので、そういうものを生かせる機会を今回いただけたことがすごくうれしかったです。難しい点でいうと、自分が普段しない表現をその役を通してしていかないといけないので、そういうものに対する想像力やそれを表現する方法、実力が足りない部分もまだあると思っていて。そこにどれだけ自分を近づけていけるかが、今大変だと感じているところです」

伊藤 「そうですね。僕自身、演技というものに挑戦してみたいと思っていたので、この話をいただいた時はすごくうれしかったです。大変とは僕はまだ感じてないんですけど、むしろほかのメンバーが演技しているところを見るとすごく力になりますし、演技していて今とても楽しいです。でも、和馬は少し自分に似ている部分もあるんですけど、自分とはまた違ったものを演じなければいけないので、そこにどれだけ“自分の味”を入れられるのかがやったことのない経験で、難しいです。そこは一生懸命、取り組んでいる課題です」

米尾 「初めてこの話を聞いた時は僕も本当にうれしかったです。初挑戦のことが多いですし、龍宮城としても新しいことにいろいろ挑戦したいという話をみんなでもしていたので、今回新たに演技という部分で新しい表現に向かっていけることに、不安よりも先にそのうれしさを僕も最初に感じました。その中で今大変だと思うのは演技で、いつもは無意識にやっている行動を少し誇張しなければいけない部分です。最近は、日常で自分がどういう動きをしているのかを考えながら生活しています。夜行は日常では全くないことですが、それでも僕自身の生活と少し近づけて演じています」

齋木 「グループでこうしてドラマをできることはすごくうれしかったんですけど、僕は初めてで経験もテクニックも何もないからこそ、どうやって雅人を演じるのかを考えました。演じるというよりは、雅人を自分に落とし込む、雅人としてその場に立つ方が自分的にはやりやすいのかなって思ったりして。テクニックがないからこそ、雅人と自分の共通点を見つけて、そこをできるだけ自分に落とし込むようにして演技をしています。でも、初めてだからといって初々しさを絶対に感じさせたくなくて。その部分が一番難しいところなんですけど、とにかく雅人として頑張ります」

佐藤 「僕は今回、ギターをとても大切にしている役どころなんですけど、僕自身ギターが未経験ということもあって、これもゼロからスタートになるので、演技と並行して練習しています。撮影が始まるころにはある程度弾けるようになったのですが、撮影の中で実際に弾いていくうちに、玲矢の気持ちとすごくリンクするようになって。その自分と玲矢の間をつなげる架け橋にギターがなっているのかなと思っています」

冨田 「僕も初めは俳優をしてみたかったというのもあって、ドラマのお話をいただいた時はうれしかったです。今は撮影している最中ですが、すべてが初めてのことなので、リアルを追求してしまって、逆に声が小さくなってしまったり、表情が静かな感じになってしまったりすることが多くて。でも、初めてだからといって初々しさは出したくないので、そこを頑張ってクランクアップまでにどんどん良いものにして、いいドラマにして仕上げていきたいです」

竹内 「僕も元々、ミュージカルだったり演劇やドラマだったりが大好きで、ステージでのパフォーマンスと演技を両立していけたらいいなと思っていたので、ドラマの話をいただいた時はすごくうれしかったです。現場に入ると本当にいろんな出会いがあって、監督もそうですし、スタッフの方々、共演者の方々などいろんな出会いと新しい学びにあふれていて、すごく刺激的です。唯一心配なのは、メンバーみんなが頑張って撮影していて、特にS(佐藤)や至は本当に大変なスケジュールを送っているので、体調を崩さずにこのまま健康で終えられたらと思います」

――皆さんが個人的にここが面白そうだなと思ったポイントや、実際に撮影する中で感じたドラマの推しポイントを教えてください。

佐藤 「まず、僕たちがバンドだということがすごい衝撃的なことの一つなのかなって思っていて。これは裏話なんですけど、前に黎と2人で『龍宮城としてバンドもやれるグループになれたら、それこそ“オルタナティブ”だよね』と話をしていた後にこういう話をいただけて。これから音楽や演技を一緒にやっていく上で、僕たちも楽器ができたらなというのもあったので、今回の機会をすごく大切にしていきたいなと思います」

齋木 「今回は、先ほど海音も言ったように、バンドというのがメインになるのですが、僕は今まで楽器をリコーダーくらいしか吹いたことがなかったんです(笑)。僕が演じている雅人はベースを弾く役なんですけど、この前、みんなで演奏するシーンの撮影があって何回も演奏したんですけど、自分的にも普段ステージで歌っている時と同じ感覚というか、ゾーンに入ったような気持ちいい感覚になって、その撮影はめちゃくちゃ楽しかったです。そこが今回の見どころなのかなと思いますね」

竹内 「タイトルが『秘密を持った少年たち』なんですけど、本当にその名前の通り、ここにいる全員がそれぞれの秘密を持っていて、話が進むにつれてそれが明るみになる人もいれば、最後の方まで何だろう?と思う人もいるので、毎回考察をして楽しんでいただけたらうれしいです」

伊藤 「僕の話になってしまうんですけど、僕だけ赤髪なんです。いじめられっ子なのに赤髪で、さらに服もほかの人に比べて生地が少ない(笑)。そういうところは和馬のイメージと違うと思うんですけど、『もしかしたら和馬ってイケイケな男なのかな?』って思わせる感じが、僕的には面白いのかなと。黎に『和馬はこれじゃないでしょ』って毎回言われるぐらい…」

竹内 「本当に! 僕も、葉は僕のキャラとは真逆で、髪をノーセットで七三分けにして…。女性ファンに人気な設定なんですが、本当にモテるのか?と思う感じなので、そういう違和感も視聴者の方には刺激になるのかなとも思いますね」

西田 「撮影を進めていて、楽しむポイントがすごく多いなと感じています。まず、元々の設定の“夜行”吸血鬼っていうフィクションの部分と、フィジカル的なアクションの部分だったり恋愛的要素やこの7人の人間関係だったり、すごく見るポイントが多いなって。見てくださる方も、たくさんの視点で楽しめるんじゃないかなって思っています」

米尾 「オリジナル作品なので今まで見たことがないものになるんですけど、夜行は特殊メークがバチバチな感じなんです。皆さんはあまり想像つかないと思うんですけど、どういう見た目をしているのかなど、そういう点も楽しみにしていただけたらと思いますね」

冨田 「7人ともいろんな過去を持っているので、相関図にすると分かることもあったり、意外な一面も見えたりするんです。ドラマが進んでいくことにより、深く濃くなっていくので、その部分を楽しんでいただきたいです」

――先日の会見では、主題歌が「SHORYU(→↓↘+P)」に決定したことも発表されました。楽曲のコンセプトや聞きどころなどをお伺いできますか?

竹内 「自分たちで演じて、自分たちの主題歌があって、それにプラスして劇中歌にも自分たちの曲があって。主題歌の『SHOURYU(→↓↘+P)』は、龍宮城の世界観、夜行の世界というものを本当に最大限に伝える曲だと思いますし、一見夜行の世界とは少し違うように聴こえる部分もあるかもしれないのですが、でも、歌詞の内容や歌が持つメッセージは、僕たち夜行に言っているのかなと感じる部分もあって。このドラマを見て聴くのと見ないで聴くのとではまた違った見方ができて、とても面白いです。主題歌の方もぜひたくさん聴いていただきたいと思います」

冨田 「歌詞だけを見ると、今回のドラマとは少し違った感じにも捉えられる歌詞なのですが、どんどん深く読んでいくと、僕たちの演じるキャラ的にも、それぞれの秘密とリンクするような歌詞がたくさんあるんです。曲としても楽しめますし、ドラマでは一人一人のキャラクターの秘密があって、歌詞の一部と似ているなと感じながら見ていただく…という二つの面で楽しんでもらえるかなと思いますね」

佐藤 「まず、この曲は今までで一番激しい曲で、勢いがすごいある曲なので、龍宮城全体のレベルアップした姿を、聴いてくださる方にまず一番感じてもらえるかなと。歌詞ももちろんですけど、曲全体の雰囲気を楽しんでいただきたいです」

齋木 「『SHORYU(→↓↘+P)』はあるゲームがメインテーマとなっていて、その独特な、癖になるようなリズムが歌詞や歌の中に散りばめられていて、そこが見どころ、聴きどころかなと思います」

米尾 「アヴちゃん先生が作っている段階のところから、僕たちもいろいろ見学させていただきました。いろいろと学ぶことが多かったんですけど、最初に僕自身が聴いて感じたのは『これがドラマの主題歌か!』っていう驚きがすごくあって。僕たちの世界観をドラマの主題歌として表現できているんじゃないかなと思う曲なので、ぜひ楽しみにしていてください」

伊藤 「『2 MUCH』に続いて『「SHORYU(→↓↘+P)』は、龍宮城がまたワンランクアップして作り上げた曲となっています。曲はできていて、これからさらにいろいろなところに枝を伸ばしていく、広げていく段階に入ってるので、進化した龍宮城、進化し続ける龍宮城を楽しみにしていただければと思います!」

西田 「(元気いっぱいに)そして、ドラマをぜひ見てください!」

――では最後に、本作の大きな要素の一つとなる“音楽”は、皆さんにとってどのような存在ですか?

冨田 「僕にとって音楽は、普段言えないようなことを言えるようなものかなと思っていて。言葉で言うと、何だかちょっと照れくさかったり難しいなと思うことでも、音楽だったら自分が思う率直なことを言える。そういうものが僕にとって音楽かなと思っています」

齋木 「僕にとって音楽は人との出会いのような、そんな気がしています。オーディションで今のメンバーとも出会いましたし、フェスに出た時にもいろんなグループの人と会うという意味で、出会いと縁なのかなと感じています」

竹内 「僕にとっての音楽は生きがいそのものです。自分が隠したい自分とか、自分が認めたくない自分の姿を音楽でさらけ出す。自分の嫌なところを含めてすべての感情を表現できるのが音楽だなと思っているので、音楽がない世の中では生きていけないなと常々思っています」

伊藤 「僕は生活の一部というか、生きる上で欠かせないものです。みんなが朝起きてご飯を食べるように生活の中にあって、音楽は“伊藤圭吾”を作る上での欠かせないもの。音楽があるからこそ伊藤圭吾が出来上がっている。音楽に構築されて今の僕がいるので、生きる上で欠かせない大切なものです」

米尾 「僕は、音楽は、たった3分や4分で聴いている人の人生を変えられるものだと思っています。それはやっぱり自分にとってもやりがいで、ライブもすごく楽しいです。あのオーディションの時に覚悟を決めたんですけど、音楽で人の人生や心を動かしていきたいなって思っているので、これからもよろしくお願いします!」

西田 「自分にとっての音楽は、一番楽しい替えのきかない唯一無二の遊びです。シンプルに歌を歌うのが本当に好きなので、今一番楽しいことなのかなと思いますね」

佐藤 「これはちょっと大げさに聞こえるかもしれないんですけど、僕は音楽がなかったら何していいか分からないぐらい音楽が生活の一部に溶け込んでいるので、あって当たり前の存在ではないんですけど、自分の中ではそういうものなのかなと。言葉で伝えるのが難しいんですけど、音楽がない生活は考えられないですね」

――ありがとうございました。バンドの演奏シーンも含め、ドラマを楽しみにしています!

【プロフィール】

齋木春空、冨田侑暉、S、KEIGO、Ray、KENT、ITARUからなる、“スクール型”オーディション番組「0年0組 -アヴちゃんの教室-」で誕生したオルタナティブ歌謡舞踊集団。バンド・女王蜂のボーカル・アヴちゃんによるプロデュースで、9月にFIRST EP「2 MUCH」でメジャーデビュー。

【番組情報】

金曜ドラマDEEP「秘密を持った少年たち」
10月6日スタート
日本テレビほか
金曜 深夜0:30~0:59 ※初回は深夜0:40~1:09
※TVer、Huluでも配信あり

取材・文/K・T(日本テレビ担当) 撮影/尾崎篤志

© 株式会社東京ニュース通信社