F1テクノロジー搭載の“S”は限定30台。メルセデスAMG『S63 E PERFORMANCE Edition1』登場

 言わずと知れたメルセデス・ベンツの旗艦サルーン『Sクラス』に、F1テクノロジー由来の駆動システムとプラグインハイブリッドのパワートレイン、さらに垂直ルーバーとセントラルスターを備えるAMG専用フロントグリルを初採用した『メルセデスAMG S63 E PERFORMANCE Edition1(Eパフォーマンス・エディション1)』が登場。全国限定30台で、9月27日より予約受注が開始されている。

 メルセデスが蓄積してきたF1技術を採用した、高性能プラグインハイブリッドであることを示す“E PERFORMANCE”の名を冠した同モデルは、フロントに4.0リットルV8ツインターボ(612PS/900Nm)と、リヤにAMG自社開発の高性能バッテリー(13.1kWh)と交流同期モーターを搭載。電動車両でありつつ、こちらもAMGによるパフォーマンス志向の連続トルク可変配分4輪駆動システム“4MATIC+”を組み合わせた高性能モデルとなり、そのシステム出力は実に590kW(802PS)、最大システムトルクは1430Nm以上を発生する。AMGスピードシフトMCT9のトランスミッションを介して、0-100km/h加速はわずか3.3秒という圧巻の性能を誇る。

 そのパフォーマンスを視覚的にも訴えるエクステリアデザインは、この『Sクラス』では初めて垂直ルーバーとセントラルスターを備えたAMG専用フロントグリルを備え、ボンネット先端のマスコットもシルバークローム/ブラックのAMGエンブレムに置き換えられている。

 出力140kW(190PS)の交流同期モーターはリヤアクスルに搭載し、電動シフト式2速トランスミッションと電子制御式LSDとともにコンパクトなエレクトリックドライブユニット(EDU)にまとめられ、変速機内または変速機よりも下流に電気モーターを置く“P3ハイブリッド”と呼ばれるレイアウトを採用している。

 これによりモーター自体をリヤアクスルに搭載して出力を瞬時に伝達できるうえ、後輪左右へも駆動力が適正配分される。さらにスリップ量が増えると4輪のトラクションバランスを高めるべく、モーターによる駆動力は必要に応じてフロントホイールにも伝達されるなど、重量配分の適正化とも併せて極めて効率的なシステムが構築される。

 またF1技術に由来する容量13.1kWhのAMGハイパフォーマンスバッテリー(HPB)は、連続出力80kW、最高出力140kW(10秒間)を実現。電動走行による航続距離を最大化することより、速やかな充放電を行うことを重点に設計されているが、EV走行可能距離も37km(WLTCモード一充電走行距離)と実用的なレベルを確保した。

 その性能を支える冷却方式も、厚さわずか数mmという新しい薄型冷却モジュールを開発し、革新的な直接冷却方式を採用。非導電性の液体をベースとする高度な冷却液を循環させ、1200個のセルすべてを個別に直接冷却する方式を初採用したことで、バッテリー内の熱分布を均一に保ちつつ充放電の頻度に関係なく、つねに平均45度という最適な動作温度範囲内に維持される。

システム出力は実に590kW(802PS)、最大システムトルクは1430Nm以上を発生。AMGスピードシフトMCT9のトランスミッションを介して、0-100km/h加速はわずか3.3秒という圧巻の性能を誇る
エクステリアカラーにはMANUFAKTURのアルペングレー(ソリッド)と、随所 にブラックアクセントを施し、給油口にはシルバークロームのAMGロゴ入りフューエルフィラーキャップや、Edition1ロゴ入りインドアカーカバーも標準装備される

■価格は4040万円。予約受注は10月17日(火)まで

 これらのシステムを最大限活用すべく、4段階選択式の回生ブレーキや、7つの走行モードを備えるAMGダイナミックセレクトに加え、統合型車両運動特性制御システムの“AMGダイナミクス”も搭載。ESP(エレクトロニック・スタビリティ・プログラム)の制御戦略や4駆制御、電子制御式LSDを最適化しつつ、クルマがどのように反応すべきかを判断する能力を備え、速度や横方向加速度、ステアリング舵角、ヨーレートなどを検出するセンサーを活用して高度なフィードフォワード制御を行うことでドライバーが望む車両挙動を先取りする。

 これら制御に加え、車体側でも『Sクラス』で初採用となるAMGダイナミックエンジンマウントが運転条件に合わせて剛性を無限に調整し、高出力を誇るV8ツインターボの直下には補強プレートの役目を果たすアルミニウム製スタビライザー(構造体)も装着。サスペンション取り付けポイントのクロスブレースもボディシェル構造を強化し、フロントのねじり剛性を高めてフィードバックを改善するという。

 またリヤ側のアンダーボディでも、丈夫で軽量なアルミニウム製ストラットブレースに加えて、AMG高性能バッテリーを収容する軽量繊維強化プラスチック(FRP)製のケーシングが剛性部材を兼ねる盤石の構成とした。

 さらにセルフレベリング機構付きマルチチャンバーエアサスペンションをベースとしたAMG RIDE CONTROL+エアサスペンションや、機械式の機構に代わり、中央の3段遊星歯車による電気機械式アクチュエーターがアンチロールバーの切り離しまで可能にするAMG ACTIVE RIDE CONTROLも実装している。

 フロントに6ピストン固定キャリパー(ディスク径400×38mm)、リヤにシングルピストン・フローティングキャリパー(380×32mm)を備えた、ともにレッドペイントのAMG高性能コンポジットブレーキが、21インチAMGクロススポーク鍛造アルミホイールを通じて確実なトラクションだけでなく圧倒的な制動力を確保する。

 エクステリアカラーにはMANUFAKTURのアルペングレー(ソリッド)と、随所にブラックアクセントを施し、給油口にはシルバークロームのAMGロゴ入りフューエルフィラーキャップや、“Edition1”のロゴ入りインドアカーカバーも標準装備され、価格は4040万円(税込)に。予約受注は10月17日(火)まで受け付けられ、国内販売台数(30台)以上の申込みがあった場合には抽選での販売とされている。

メルセデスコール:0120-190-610
メルセデス・ベンツ日本ウェブサイト:http://www.mercedes-benz.co.jp

ドライビングに集中しながら各種メニュー操作が可能なAMGドライブコントロールスイッチを備えた”AMGパフォーマンスステアリング”を標準装備
予約受注は10月17日(火)まで受け付けられ、国内販売台数(30台)以上の申込みがあった場合には抽選での販売とされている

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