ジャニーズ「NGリスト」問題 首相会見批判に飛び火 「1人1問」手法も批判

国会議事堂(資料写真)

 ジャニーズ事務所が創業者ジャニー喜多川氏(2019年死去)の性加害問題を巡り2日に開いた記者会見に特定の記者やジャーナリストを指名しないようにする「NGリスト」が存在した問題が、岸田文雄首相の会見への不満に飛び火している。コロナ禍よりは緩和されたものの参加人数の規制が続いていることが背景。「1人1問」の手法も「ジャニーズ会見と同じだ」とSNS上で批判を呼び、イメージダウンに拍車をかけている。

 「私や総理の会見で、あらかじめ特定の記者を指名しないようにするといったリストは存在しない」

 松野博一官房長官は5日の会見で語気を強めて否定した。「時間の制約」を理由に挙手した記者全員が指名されずに終了する首相会見があることを踏まえてぶつけられた「NGリストによるものか」との質問に反論。「時間が許す限り、記者からの質問には丁寧にお答えしている」とした上で「すべての出席者を指名することが困難な場合もあるが、なるべく広く質問していただけるように努めていきたい」と付言した。

 官邸での首相会見ではこれまで最大114席が設けられていた。しかしコロナ禍での感染拡大防止を理由に、安倍晋三元首相当時の2020年4月からは常駐メディア19社が1人1席、非常駐社、外国メディア、フリー記者ら10席の計29人分と大幅に減らされた。

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