マニアが選ぶ中古ウェッジ お買い得モデルはこの3つ 「XW-F」「MG2 TW」残りは?

ツアープロの中で愛用者の多いウッズのシグネチャーモデルは中古で手に入る?

中古ショップに足を運んだり、ネットの中古クラブを見ていると、最新モデルから往年の名器、珍しい地クラブなどが揃っており、お目当てのクラブが決まっていなくても、宝探しのような楽しみ方ができる。特にウェッジに関しては、掘り出し物の逸品が見つかるケースが多い。そこで今回は、ギアマニアを自負する筆者が、中古店で見つけたら即買いしたいウェッジの名器を紹介する。

ジャンボ尾崎エージシュート記念のロングセラーウェッジ

2013年の「つるやオープン」で男子レギュラーツアー初のエージシュートを達成した尾崎将司。その際に使用していたプロトタイプをベースに作られたのが、マスダゴルフの「スタジオウェッジ M425」(2015年)だ。現在でも根強い人気があり、ロングセラーとなっている。

グースネックの「M425」以外に「M425/S」というストレートネックモデルもある

キャビティバックの大きめヘッド、フラットなソールはバウンス角が多めに設定されている。グースネックでつかまりが良く、ミスに強いウェッジだ。中古市場では1万円台後半からが相場だが、ノーメッキバージョンは錆が目立つことから1万円台前後のお手頃価格で販売されている。すぐに売れてしまうモデルのため、見つけたら溝の状態をチェックして即買いして欲しい。

レアな“タイガーソール”を狙おう

テーラーメイドと用具使用契約を結んでいるタイガー・ウッズ。シグネチャーモデルとして、2019年に「P7TW アイアン」を発売したが、ウェッジにもタイガーモデルは存在する。どちらも日本では未発売の「MG2 TW」(2019年)と「MG3 TW」(2021年)だ。ちなみに、ことし9月に発売された「MG4 TW」は、直営店限定モデルとして日本でも購入することができる。

「MG2 TW」(左)と「MG3 TW」(右)。フェース面はどちらもノーメッキ

「MG2 TW」と「MG3 TW」は共通して、TWグラインドを搭載。ソールはコンピューターミルドでウッズ好みの形状に仕上げられている。特に56度はリーディングエッジ側とトレーリングエッジ側の両方が削られており、ソール幅は狭めだが開いたときにバウンスが邪魔をしないように設計されている。ロフト角は56度と60度の2種類で、「MG2 TW」が1万円台後半から、「MG3 TW」は2万円台前半から見つかる。見つけたらぜひチャレンジして欲しいモデルだ。

国内ツアーで人気を誇った激スピンウェッジ

現代の激スピンウェッジと言えば、ブリヂストンとレーシングカーのエンジン開発を手掛ける「無限」が共同開発した「B-Limited BRM フルミルドウェッジ」(2021年)や「ツアーB XW-B」(2018年)だろう。日本が誇る精密加工技術を用いて世界最高峰のスピン性能を追求したモデルで、多くの契約プロが使用していたが、新品だと10万円前後と超高価。ウェッジは消耗度が高いクラブなので、ここまで高価だと思い切り使えない。そこでおすすめしたいのが、「ツアーB XW-F」(2018年)だ。

ヘッドだけの販売だったため、様々なシャフトが装着されているモデルに出会えるだろう

「無限」では加工されていないが、2015年に発売された「ツアー リミテッド ウェッジ」(通称:無限ウェッジ)のフェース面を高次元で再現したモデル。ミーリングが牙のような鋭利な三角形であることから、 牙を意味する「FANG」の頭文字がモデル名となっている。販売店限定モデルのためなかなか中古店では見つからないが、1万円台後半からが相場。ノーメッキフェースなので使用感が出てしまうのは否めないが、溝の状態をチェックして購入すると良いだろう。

ウェッジは溝が命

中古ウェッジを購入する際は、溝の角がしっかりあるか確認してから購入しよう。ソールは使っているうちに傷がついてしまうものなので、ソールの消耗度合いにこだわらなければ割安で購入できるというメリットもある。

ただし、2024年からすべてのゴルファーにアイアンの溝規制が適応される。2010年以前に発売されたアイアンは、R&Aのルール適合リストに掲載されていないとルール違反になるため注意が必要だ。中古クラブを売る大手ネットショップであれば、商品の写真が鮮明で数も多く、フェース面の消耗程度もわかりやすい。今回紹介したモデルはどれもレアで手に入りづらいモデルなので、興味のある人は定期的に中古ショップやウェブサイトをチェックして欲しい。(文・田島基晴)

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