兵庫県猪名川町在住の清水三造さん(86)が、計3キロの金(ゴールドバー)を同町に寄贈した。現在の相場で約3千万円にもなるといい、町は清水さんの意向を踏まえ、教育や消防の施策に活用していく予定だ。
一体、どんな人なのだろう。取材を依頼しようと町に連絡先を尋ねると、「あまり注目されたくないらしいです」と断られてしまった。同町の担当者によると、清水さん個人としての寄贈は今回が初めてではないという。
最初は2019年12月、現金100万円を贈った。直後に新型コロナウイルス感染症が拡大。マスク不足が社会問題となり始めた20年2月、今度はマスク420箱を寄せた。22年4月には「子どもたちが防火意識を持つきっかけに」と「ちびっこ消防車」を寄贈した。
マスクは役場で配布したり、備蓄したりするなどして役立てた。ちびっこ消防車は電動で、サイレンや赤色回転灯も備えた本格的なもの。防火教室などに登場し、子どもたちが楽しみながら防火の大切さを学んでいるという。
今回の寄贈を受け、岡本信司町長は「子どもたちの輝かしい笑顔がこれまで以上に見られるよう、大切に活用していく」と話した。(貝原加奈)