追加召集の35歳山中がメンバー入り ラグビーW杯アルゼンチン戦 落選から一転復帰

山中亮平

 ラグビーのワールドカップ(W杯)フランス大会で1次リーグD組の日本は6日、第4戦となるアルゼンチン戦(日本時間8日午後8時開始予定)に挑むメンバー23人を発表した。第2戦終了後、セミシ・マシレワ(花園近鉄ライナーズ)の負傷離脱で追加招集された35歳のFB山中亮平(コベルコ神戸スティーラーズ)が控えメンバーに入った。

 8月15日のW杯メンバー発表で一度は落選した山中。自身のインスタグラムに「2027年のワールドカップ目指します。ラグビー人生、第3章のスタートです」などと投稿し、次を見据えていたが、思わぬ形でW杯の舞台に戻ってきた。

 前身の神戸製鋼から神戸一筋。昨シーズンのリーグワン1部では全試合に出場し、6月に35歳を迎えてなお衰えを知らない。高校時代の同級生で、神戸でも長く一緒にプレーした前川鐘平さんは今年4月の引退会見で、エールを送っていた。

 「同級生がどんどん減る中、日本代表で活躍しているのはすごいの一言。(19年の)W杯で活躍するヤマちゃんとか、すごい世界にいることが不思議な感覚というか。自分は山中のファンだと思っています」

 今大会の日本代表に入っている神戸の22歳、SO李承信(リ・スンシン)は尊敬のまなざしを向ける。これまでの取材に「全てのスキルが高い。ロングキック、ロングパス。天才ですね」。昨シーズン、自身がけがで離脱する間、代わりにキッカーを務めた山中が高確率で決めた。「いきなり任されたのに。本当にセンスの塊」と感服していた。

 現在2勝1敗の日本は、勝ち点9で並ぶアルゼンチンに勝てばD組2位以内が確定し、決勝トーナメント進出が決まる。19年の日本大会で初のベスト8進出に貢献した山中の活躍は不可欠だ。(有島弘記)

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