【10月7日はミステリー記念日】サイコパスな亀梨和也が最狂!「このミス」大賞受賞の『怪物の木こり』原作者・倉井眉介が映画化の魅力を語る

『このミス』大賞受賞作×亀梨和也×三池崇史×セカオワ

2019年第17回<このミステリーがすごい!>大賞を受賞した小説『怪物の木こり』(倉井眉介/宝島社文庫)が実写映画化、2023年12月1日(金)より全国公開。凶器の斧で“脳”を奪い去る連続猟奇殺人事件の犯人を追う警察と、返り討ちを狙うサイコパスな弁護士……。ぶっ飛んだ設定と先読み不可能なストーリー、意表を突く驚きの展開が連続する衝撃作だ。

本作は鬼才・三池崇史が監督を務め、目的のためには手段を選ばず殺人すらいとわない狂気のサイコパス弁護士・二宮彰(にのみやあきら)を亀梨和也が熱演。さらに、捜査本部で孤立しながらも連続殺人事件を追う警視庁のプロファイラー・戸城嵐子(としろらんこ)を菜々緒が、二宮の本性を知らない婚約者・荷見映美(はすみえみ)を吉岡里帆が演じるほか、二宮の協力者のサイコパス外科医・杉谷九朗(すぎたにくろう)に染谷将太、過去の殺人事件の容疑者・剣持武士(けんもちたけし)に中村獅童、正義感が強すぎる刑事・乾登人(いぬいのぼる)に渋川清彦と、豪華キャストが集結している。

「このミス」大賞受賞の原作者が観た“映画『怪物の木こり』の魅力”とは?

過去には「チーム・バチスタの栄光」や「スマホを落としただけなのに」など、映像化にまで至るベストセラー作を多く輩出している<このミステリーがすごい!>大賞。2002年に宝島社が創設した”ミステリー作家の登竜門”とも言えるこの賞で2019年の第17回、“サイコパス vs 連続殺人鬼”というかつてない設定の超刺激サスペンスとして449作の応募作品の中から堂々の大賞を受賞した小説が、倉井眉介が生み出した小説「怪物の木こり」だ。

倉井は同賞の受賞をきっかけに作家デビューを果たした新人作家ではあるが、同じ年に「あかね町の隣人」という作品でも第64回江戸川乱歩賞の最終候補となるなど昨今最も注目される、まさに新進気鋭の作家のひとり。今年7月には最新作「怪物の町」を刊行し、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いを見せている。

各メディアでも大きく話題となった「怪物の木こり」は、発売されるやいなやSNS上でも大きな反響を呼び、映像化への期待の声も多数寄せられていた。そして今回『悪の教典』『藁の盾 わらのたて』の三池監督がメガホンを取り、亀梨和也を主演に待望の映画化。ひと足早く作品を観た原作者の倉井は、「僕にとって『怪物の木こり』の登場人物たちはみな自分の一部であり、分身のような存在でした。ですが、映画の中の彼らはまるで別人。同じ台詞を口にしているのに、完全に僕から独立した存在のように感じられました」と原作者ならではの視点から見た映画の魅力を語り、「それだけ役者の皆さんがキャラクターを自分のものにしていたということでしょうね。役者さんが演じるとこうも違うものかと驚かされました」と、豪華キャスト陣の演技力の高さに驚愕したようだ。

また、自身も撮影現場を訪れたそうで、「カメラが止まるたびにスタッフの方たちがきびきびと動くので、そこにもとても感心させられました。全員が自分の役割をわかっていないとできないことです。僕ならきっと三日と持たずにクビになっているでしょうね」と現場での三池組のスタッフ陣の洗練された動きに衝撃を受けたと語る。

サイコパスVS連続殺人鬼! かつてない超刺激サスペンスはこうして生まれた

サイコパス弁護士・二宮彰を演じた主演の亀梨和也については、原作よりもより“怖カッコイイ”キャラクターになっていたとしたうえで、「台詞もなく、表情に大きな変化のないシーンでさえも彼の精神状態が伝わってくるのです。それが具体的にどういったシーンなのかはネタバレになるので言えませんが、映画を観れば何のことかはわかると思います。ぜひ劇場で確認してみてください」と絶賛。

本作の“サイコパス監修”を務めた脳科学者の中野信子も、「サイコパスは身近にいれば実に危険で不都合な存在ですが、スクリーンを通してみるとこれほど魅力的に見えるものかというマジックをぜひ体感してください。これは映画の魔力でもありますが、遠くにいて直接的な実害さえなければ、私たちはサイコパスを本能的に支持してしまうのだという、消し去ることのできない人間の業でもあります」と、亀梨和也×三池崇史監督によって映像化されたサイコパス弁護士・二宮の持つ魅力を吐露している。

自身の原作を読んだ上で、映像化した本作をこれから鑑賞する観客へ向けては、「実は原作と映画では結末が違っているのですが、それによって作品そのものの味わいも大きく変わっていると感じました。原作とはまた違ったベクトルで、胸にぐっとくるものがあると思います」と原作ファンも新たな楽しみ方ができる実写映画化になっていると語った倉井。「これではネットに“原作よりもよかった”という感想が溢れそうで心配です(笑)。皆さん、作者を気遣った感想をお願いします」とユーモアも交えながら、その魅力を語った。

【『怪物の木こり』原作者・倉井眉介 コメント全文】

――完成された映画をご覧になった感想をお聞かせください。原作者というご自身の立場ならではの驚きや発見はございましたか?

僕にとって「怪物の木こり」の登場人物たちはみな自分の一部であり、分身のような存在でした。ですが、映画の中の彼らはまるで別人。同じ台詞を口にしているのに、完全に僕から独立した存在のように感じられました。それだけ役者の皆さんがキャラクターを自分のものにしていたということでしょうね。役者さんが演じるとこうも違うものかと驚かされました。

――サイコパス弁護士・二宮彰を演じられた亀梨和也さんの演技はいかがでしたでしょうか?

亀梨さんの演じる二宮は原作よりも怖カッコイイキャラクターとなっていました。ですが、作者として目を引かれたのはむしろ、それ以外のときの二宮でしたね。台詞もなく、表情に大きな変化のないシーンでさえも彼の精神状態が伝わってくるのです。それが具体的にどういったシーンなのかはネタバレになるので言えませんが、映画を観れば何のことかはわかると思います。ぜひ劇場で確認してみてください。

――撮影現場をご覧になった際の感想をお聞かせいただけますでしょうか?

僕が見学させてもらったのはクライマックスにあたるシーンでしたが、実際の現場よりも映像の中の現場が迫力があって驚きました。また、カメラが止まるたびにスタッフの方たちがきびきびと動くので、そこにもとても感心させられました。全員が自分の役割をわかっていないとできないことです。僕ならきっと三日と持たずにクビになっているでしょうね。

――最後に、倉井様の原作をお読みになった上で、今回の映画化を楽しみにされているお客様へのメッセージをお願いいたします。

実は原作と映画では結末が違っているのですが、それによって作品そのものの味わいも大きく変わっていると感じました。原作とはまた違ったベクトルで、胸にぐっとくるものがあると思います。その上セカオワさんの曲がその結末に異様にマッチしているので、エンドロールのあいだも物語の余韻に浸ることができて、これではネットに「原作よりもよかった」という感想が溢れそうで心配です(笑)。皆さん、作者を気遣った感想をお願いします。

『怪物の木こり』は2023年12月1日(金)より劇場公開

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