イオン<8267>、いなげや<8182>の子会社化へTOBを開始

イオンの本社(千葉市)

イオンは6日、首都圏で食品スーパーを展開するいなげやにTOB(株式公開買い付け)を始め、11月末に子会社化すると発表した。TOBで株式を追加取得し、現在17.22%の持ち株比率を51%に引き上げる。買付代金は252億円。続いて1年後の2024年11月をめどに、イオン傘下で「マルエツ」「カスミ」「マックスバリュ関東」の3食品スーパーを運営するユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(USMH)といなげやを経営統合する。イオンは4月末にいなげやの買収計画を発表し、具体的な手法や条件を協議していた。

いなげや株の買付価格は1株につき1610円。TOB公表前日の終値1492円に7.91%のプレミアムを加えた。4月末の買収発表時の終値(1307円)に対しては23.18%のプレミアムとなる。買付予定数の上限は所有割合33.78%にあたる1568万7400株。下限は設定していない。買付期間は10月10日~11月21日の30営業日。決済の開始日は11月29日。公開買付代理人はみずほ証券。

いなげやはTOBに賛同している。TOBへの応募については株主の判断に委ねるとしている。

いなげやは首都圏の1都3県にスーパー「いなげや」を約130店舗、ドラッグストア「ウェルパーク」を約140店舗を展開し、2023年3月期の売上高は2485億円。イオンは2002年にいなげやに出資、商品開発や店舗開発などので提携関係にあった。

子会社化後のいなげやと統合する傘下のUSMHは2015年マルエツ、カスミ、マックスバリュ関東の3社が設立した持ち株会社で、イオンが約54%の株式を保有する。いなげやは2024年11月のUSMHとの統合に伴い、東証プライム市場への上場が廃止となる。

USMHの2023年2月期の売上高は7086億円。いなげやを加えることで、念願としてきた「関東における1兆円のスーパーマーケット構想」が実現する。

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