平均年齢61歳!「ももいろクロおばあZ」のダンスが思わぬ反響 本家ももクロも「めちゃ嬉しい」

キレキレのダンスを披露する「ももいろクロおばあZ」=9月24日、新温泉町丹土(但馬牧場公園提供)

 国民的アイドルグループ「ももいろクローバーZ(ももクロ)」を愛する兵庫県新温泉町居組の女性5人が、平均年齢61歳の「ももいろクロおばあZ」として、地域イベントのステージに立っている。ももクロの楽曲に合わせ、おばあたちが息を切らせて踊る姿に一部のモノノフ(ももクロファン)が盛り上がっている。(長谷部崇)

■息切らせ踊る姿絶賛のファンも

 9月24日、但馬牧場公園(新温泉町丹土)であった「世界の但馬牛まつり」。ステージイベントのトップバッターとして、赤、黄、緑、紫、ピンクのメンバーカラーに身を包んだ50、60代のおばあ5人が登場し、ももクロの「Chai Maxx」「Z伝説~終わりなき革命~」の2曲でダンスを披露した。

 「おばあZ」の結成を呼びかけたのは、メンバー最年少でピンク(ももクロでいう佐々木彩夏さん)の西垣幸子さん(53)。2020年11月に愛犬が16歳で死に、外出もできないほど落ち込んでいた時、ももクロのメンバーが元気に踊る姿に救われ、立ち直るきっかけになったという。

 その後はすっかりモノノフとしてのめり込み、昨年5月、隣町の香美町で開かれたライブも見に行った。「あんなふうに踊ってみたい」と、地区の運動会で同じ放送係だった60代の女性3人と「ももいろクロおばあZ」を結成。昨年11月の新温泉町文化祭でステージデビューした。今年さらに60代の新メンバーが入り、緑色(ももクロでいう有安杏果さん=18年に脱退)も加わった。

 「セーラー戦士」ふうの衣装は、グループ最年長で赤色(ももクロでいう百田夏菜子さん)のメンバー(69)がそれぞれのカラーで制作。各色のかつらやマスクは「顔を出したくない」というメンバーの強い意向で着用している。

 思うように動かない体や体力面の不安から楽曲は約半分に短縮し、ダンスも難度を下げてアレンジしている。それでも、練習ではついついおしゃべりの時間が長くなり、「できん」「覚えられん」と弱音も漏らす「おばあZ」。但馬牧場公園のステージでは振り付けを間違えたり、互いにぶつかりそうになったりしたが、5分間のダンスで全力を出し切った。

 同公園のステージは思わぬ反響があり、X(旧ツイッター)で「Chai Maxxちゃんと踊れるなんてすごいですね!」と一部のモノノフも絶賛。なんと、ももクロのメンバー高城れにさんもインスタグラムで、「おばあちゃん達(たち)がやってる『ももいろクロおばあZ』って知ってる?」というファンの質問に「知ってる」「めちゃ嬉(うれ)しい」と答え、本家メンバーにも知られるところとなったのだった。

 西垣さんは「私たちはももクロから元気をもらって、あんなふうに踊ってみたいというのが一番。おばあたちが元気に踊る姿を楽しんでもらえればうれしい」と話した。「おばあZ」は、11月3日に新温泉町湯の夢ホールで開かれる新温泉町文化祭にも出演予定。

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