「運動神経」は神経でもなんでもない!運動の良し悪しを決める人体のポイントとは?【人体の不思議】

神経ではなく、運動能力が高いか低いか!

運動神経とは、私たちが体を動かすために大脳からの命令を体の各部に伝えるときの〝情報の通り道〟となる末梢神経のことです。運動神経がなければ、私たちは思い通りに体を動かすことができず、歩くこともものをつかむこともできません。

運動神経の働き自体には善し悪しがあるわけではなく、脳から筋肉に情報を伝える「伝導速度」にも、個人差はありません。とはいえ、現実にスポーツの得意な人と苦手な人がいるのはどうしてでしょう。

スポーツの上手い下手は、運動神経ではなく〝ある動作を思い通りにできるかどうか〟にかかっています。スポーツが下手な人は、頭ではわかっているのに体がついていかない、思うように動いてくれない、という人です。

反対に運動神経がよいとされる人は、より複雑な情報をより的確に脳に送り、的確な判断をして筋肉へ命令し、筋肉が的確に動く人、ということです。

そしてそれは、練習の積み重ねによってカバーすることが可能です。はじめは下手でも練習を続けていくうちに上手くなるのは、こうした運動の〝間違い〟を確認した脳の運動野から、小脳に信号を送って脳が神経回路を修正するためです。つまり、正確には運動神経ではなく、「運動能力」が高いか低いか、ということになります。

神経系統の発達は環境に影響され、20歳を100とした場合、5歳頃にはその80パーセントに達するといわれます。そして、5〜12歳ぐらいまでにどのような体の使い方をしたかが、その人の運動能力に大きくかかわります。

そのため、運動能力を伸ばすには、とくに「ゴールデンエイジ」と呼ばれる9〜12歳頃に適切な運動をおこなうことが重要なのです。

出典:『図解 人体の不思議』監修/荻野剛志

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テレビやインターネットには健康に関するさまざまな情報があふれており、スマートフォンで専門的な知識ですら手軽に検索することが可能です。しかし、これらの健康に関する情報にはさまざまな内容が含まれており、その真偽を含めた有用性(どれが大事な情報か)を判断することが難しい状況があるように思われます。

これらの情報の有用性を判断して有効に活用し、自分自身が健康であるためには、まず人間の“からだ”についてできるだけ正しい知識を持つことが重要ではないでしょうか?なぜならこの正しい知識を持つことが、巷にあふれる健康に関する情報に流されず、鵜呑みにせず、どれが有用な情報であるのかを判断できるようになる土台となるからです。

本書では、人間の“からだ”についての理解を深めるための基本的な疑問を取り扱い、図解を入れながら、わかりやすく説明しています。読めば皆様の“からだ”のことをもっと知ろうとする意欲を刺激し、さらに知識を得るための第一歩となってくれるはずです。

脳は重くてシワの数が多いほど頭がいいのか?

生物の体には不思議なポイントが沢山あります。そして特に最も神秘的なカラダの部位と言えば人間の脳です。まずは、人体の脳における不思議について解説しましょう。

動物と脳の関係を比較すると、一般に小動物ほど体重の割に脳が重く、逆に大型動物ほど軽いことがわかります。動物の脳と体重の間には、「脳の重量は体重の0.75乗に比例する」という規則性があり、これを「スケーリング」といいます。ただし、この動物界の普遍的な規則にあてはまらない動物がいます。それがヒトです。ヒトは、動物の中では例外的に大きな脳を持っているのです。

また、ヒトの場合、アインシュタインの脳が1230グラムと一般的な成人男性の脳(1350〜1500グラム)よりも小さかったことから、脳の大きさと頭のよさは関係ない、ともいわれます。しかし、カリフォルニア大学の「脳の大きさと知能指数(IQ)の関係」の研究では、わずかながら脳の大きな人ほどIQが高く、とくに「大脳皮質」の「前頭前野」と「後側頭葉」の皮質が厚い人のIQが高いという結果が発表されました。

天才は生まれつきではない、幼少期がポイント

ところが、さらに研究を進めると、皮質が厚くてもIQが高くない人がいることもわかりました。このことから「IQの高さは皮質の厚さより、脳が幼少期にどれだけ成長したかが重要」といわれてきました。この説を裏づけるように、IQが120以上の人の脳は、7〜9歳頃の幼少期にはむしろ平均よりも皮質が薄く、その後13歳まで肥大化し、厚みを増し続けていたとされ、幼少期の教育熱は高まりそうです。

しかし、一方でIQはあらゆる知能を網羅した数値ではなく、万能性がないことも把握する必要がありそうです。昔からよく「脳みそのシワが多いほど頭がいい」といわれます。しかし、脳のシワは胎児のときに大脳が形成される過程でつくられ、生まれたときにはすでにできあがっているため、成長してどんなに勉強してもシワの数は増えないそうです。

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【書誌情報】
『図解 人体の不思議』
監修:荻野剛志

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