キャンディーズ、伝説の序章の1枚「年下の男の子」を徹底解剖

活動期間はわずか5年、伝説のグループ・キャンディーズのブレイクのきっかけとなった『年下の男の子』(1975年)。同曲が収録され、初めてオリジナル楽曲のみで構成された4枚目のアルバムを徹底解剖する番組が、10月7日にNHK BSプレミアムで放送される。

キャンディーズのブレイクのきっかけとなった名盤『年下の男の子』 (C)NHK

BS4Kで9月に放送され、大きな反響を呼んだ『名盤ドキュメント キャンディーズ「年下の男の子」』。マルチトラックテープ(録音原盤)を紐解きながら、アーティスト本人や関係者が制作秘話を語り、その魅力に迫っていく。これまでのシリーズでは、井上陽水『氷の世界』、はっぴいえんど『風街ろまん』、矢野顕子『JAPANESE GIRL』などが取りあげられ、いずれも話題となった。

1972年4月、伊藤蘭(愛称:ラン)、藤村美樹(同:ミキ)、そして、田中好子(同:スー)で結成されたキャンディーズ。1973年にシングル『あなたに夢中』でデビューした3人は、人気番組『8時だョ!全員集合』にもレギュラー出演するなど知名度はあったが、レコードの売り上げはいまひとつで、事務所は見切りをつけかけたという。

そんなとき、マネージャーの起死回生の決断と音楽制作陣による斬新な試みによって、キャンディーズは息を吹き返す。5枚目のシングル『年下の男の子』で初のトップ10入りを果たし、のちにセルフカバーで大ヒットを記録した『春一番』などを収録した4thアルバム『年下の男の子』は、初めてオリジナル曲だけで構成され、キャンディーズをアイドルから歌手に変貌させる1枚となった。

『年下の男の子』(作曲、編曲)、『春一番』(作詞、作曲、編曲)、『微笑がえし』(作曲、編曲)などを手がけた作曲家・穂口雄右 (C)NHK

このアルバム制作の舞台裏を、録音原盤のマルチ音声を聴きながら、ディレクター、作曲家、ギタリスト、マネージャーらが証言。アイドルを超えた高い音楽性や声の魅力を分析しながら、デビューから伝説の解散劇にいたるまで、自分たちらしく活動したキャンディーズの軌跡を追う。同番組は10月7日・夜10時30分から放送される。

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