【MLB】 連覇か、コレアが立ちはだかるか ツインズ対アストロズの地区シリーズプレビュー!

写真:ツインズのキーマン、カルロス・コレア

日本時間10月8日から、地区シリーズが始まる。ア・リーグの第2シードと第3シードが激突するツインズ対アストロズの地区シリーズでは、昨年世界一のアストロズが登場する。

現時点で発表・予想される先発マッチアップは以下の通り。(第2戦と第4戦の後に移動日)

第1戦 ツインズ:ベイリー・オーバー vs. アストロズ:ジャスティン・バーランダー
第2戦 ツインズ:パブロ・ロペス vs. アストロズ:フランバー・バルデス
第3戦 ツインズ:ソニー・グレイ vs. アストロズ:クリスチャン・ハビアー
第4戦 ツインズ:ジョー・ライアン vs. アストロズ:ホセ・ウルキディ
第5戦 ツインズ:パブロ・ロペス vs. アストロズ:ジャスティン・バーランダー

先発マッチアップは、ツインズが有利だ。ツインズは先発ローテの防御率がメジャー2位の高水準。中でもア・リーグのサイヤング賞ファイナリストの有力候補である、ロペスとグレイの1・2パンチが強みだ。ロペスとグレイはワイルドカードシリーズでもシーズン通りの好投を見せており、絶好調のまま地区シリーズへと臨んでくる。

第1戦を任されるオーバーも9月は4先発で防御率2.08と好調。第4戦には今季197奪三振のライアンが予想されているが、ブルペンに回っている前田健太もあり得るだろう。

アストロズは先発投手に怪我人が相次ぎ、先発ローテの防御率はメジャー12位と数字自体はかなり平凡なものに。しかし、今季途中に帰還したバーランダー、数字を落としていたハビアーが終盤に調子を上げ、逆転で地区優勝を掴んできた。

第1戦にはこれが35回目のプレーオフの先発となるバーランダーを起用。バーランダーはレギュラーシーズン最終週の週間最優秀投手を獲得するなど、完璧なタイミングで調子を上げてきた。第2戦のマウンドには今季ノーヒッター達成の左のエース、バルデスが上がる。ツインズ打線は左投手に対して相性が悪く、バルデスの先発はミスマッチとなり得る。

打線のクオリティはアストロズに軍配か。チームOPSではアストロズがメジャー5位の.768、ツインズがメジャー7位の.753と、総合的な攻撃力では両者の差は少ない。

しかし、中身を見てみると両者の性質は異なる。ツインズがメジャー3位の233本塁打、4位の四球率9.6%、そしてメジャーワーストの三振率26.6%を記録する“ビッグボール”路線。対してアストロズは、チーム打率がメジャー5位の.259、三振率がメジャー3位の19.8%、そしてそれでいてメジャー7位の222本塁打を放つなど、例年通り完成度が高い。一発で試合を変えられる力はツインズに分がありそうだが、アストロズの打線はやはり脅威だ。

ブルペン勝負はほぼ互角ではないだろうか。

ツインズのブルペンは、ワイルドカードシリーズで素晴らしい働きだった。クローザーのヨアン・デュラン、セットアップのグリフィン・ジャックスをはじめ、先発からブルペンに回ったルイ・バーランドなども印象的な活躍。これに加えて、ワイルドカードシリーズでは出番がなかったが、先発が早めに降りた際の第2先発としての起用もあり得る前田健太や、クリス・パダックが控えており、かなり層が厚い。

アストロズはヘクター・ネリス、ブライアン・アブレイユ、フィル・メイトンの3枚が終盤は鉄壁のパフォーマンスを見せた。この中でもブルペン最強の切り札であるアブレイユをどう起用するのか、そしてどう安定感抜群のクローザー、ライアン・プレスリーへと繋ぐかが鍵になってくる。

この地区シリーズで注目されているのが、ツインズのカルロス・コレアが古巣アストロズと対戦するというストーリーだろう。コレアはワイルドカードシリーズでも、第2戦の先制タイムリーや、守備での再三の好プレーでチームを牽引した。プレーオフ経験豊富で勝負強いコレアが、ツインズの長きにわたるプレーオフの連敗を終わらせたと言っても過言ではない。今度はコレアが古巣アストロズの7年連続のリーグチャンピオンシップ進出、そして連覇を阻止するのかということに注目が集まっている。ツインズはやはりコレアの働きが鍵を握る。

一方、アストロズの地区シリーズの戦いの鍵は、ホームでの戦いにあるだろう。2017年以来、ホームで戦った地区シリーズの試合は11戦11勝と、ホームでは無類の強さを誇ってきた。プレーオフのシリーズの中ではアップセットが起こりやすい地区シリーズにあって、本拠地の試合を落とさないことは重要なのだ。しかし、今年のアストロズはホームで39勝42敗と負け越し中。例年通りにホームで勝ちきれるとは言い切れない。

ツインズとしては、タフなマッチアップとなる第1戦・第2戦で連敗してしまえば雲行きが怪しいが、逆にどちらかを取れればチャンスが出てくる。明日・明後日の戦いに注目して見守りたい。

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