秋の味覚「丹波篠山黒枝豆」販売解禁 待ちわびたファンら行列 高温少雨が影響、例年より2日遅れ

直売所には解禁を待ちわびた購入客らで長蛇の列ができた=JA丹波ささやま味土里館

 丹波篠山ブランドを代表する特産品「丹波篠山黒枝豆」の販売が7日朝、兵庫県丹波篠山市内で一斉に解禁された。夏場の猛暑と少雨の影響で、地域により生育にばらつきがあり、例年より2日遅れの解禁となったが、直売所や店舗には、待ちわびたファンらが行列を作り、秋の味覚を買い求めていた。出荷は10月末ごろまでの見込み。(堀井正純、谷口夏乃)

 黒枝豆は、おせち料理などに使われる最高級の黒豆「丹波黒大豆」を完熟する前に収穫したもの。大粒で甘みが強いのが特徴で、全国ブランドとして名高い。

 この日、篠山東雲高校(丹波篠山市福住)の実習農場で、販売解禁セレモニーがあり、関係者らが「樽開き」で黒枝豆のシーズン到来を祝った。市内では約2800戸の農家が黒大豆を計約780ヘクタールで栽培。例年、その3割ほどが枝豆用に販売される。

 市などによると、高温少雨の影響で、今年のさや付きは平年の9割ほど。生育の関係で、販売本格化が遅れる集落もあるという。

 JA丹波ささやま味土里館(同市東吹)では、腕いっぱいに袋を抱える人や箱でまとめ買いする人が多く、午前中で枝付き豆が完売した。加古川市から訪れた男性(69)は「解禁日に購入するのが毎年の恒例行事。今年も親戚が楽しみにしているので送りたい」と笑顔だった。

 丹波篠山市農都政策課は「黒枝豆は熟成が進み、収穫時期によってコクのある味へ変化していく。タイミングを変えて購入してもらえれば」とPRしている。

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