新コーチの言葉を支えに シード圏外の柏原明日架が4位浮上

前回優勝したのは2019年シーズン。もう4年も勝利から遠ざかっていた(撮影/高藪望)

最終日を前に、ツアー2勝の柏原明日架が首位と2打差の4アンダー4位に上がってきた。2019年「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」で初優勝、同年「マスターズGCレディース」で2勝目を挙げた後は勝利から遠ざかっている。今季は出場30試合でトップ10は3回。予選落ちは17試合あった。

最後は3mを沈めてバーディを奪取(撮影/高藪望)

これまで父親の武道さんをコーチに二人三脚で歩んできたが、昨年12月に「これから1ランク、2ランク上げるには変えていかなきゃいけないよねっていう話し合いをした」と自分のゴルフを見直したという。そこで父から名前が出たのが堀琴音の復活優勝を支えた森守洋氏。これまでも会場で助言を求めることはあったが、改めて今シーズンからコーチとして見てもらうことになった。

「私と森コーチは性格が真逆。技術面でもサポートしてくれるけど、成績が良くないときもサポートしてくれて。予選落ちしているときも『勝てるよ』って。父と一緒にやっていた時は性格が似ていたのもあって、悪い時は一緒に落ち込んでいた」。時には最終スコアが優勝と10打も離れていることに気落ちした。そんなときも「前向きに、『ここは良かったよ』って現状を伝えてくれる」と支えられてきたという。

シーズン序盤はオフで伸びた飛距離とマネジメントがかみ合わずに苦戦した(撮影/高藪望)

来季のシードがかかるメルセデスランキングが現在63位とあって、このチャンスを生かしたいところ。ツアー2勝は「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」が9月、「NOBUTA GROUP マスターズGCレディース」が10月と秋シーズンという実績も、今週は後押しになっている。

「先週の、日本女子オープンでの菊地絵理香さんと原英莉花ちゃんの優勝争いも刺激になった。菊地さんは日ごろから仲良くしている先輩だし、原さんは久しぶりの優勝で自分と重なる部分もあって」。普段は見ないテレビ中継もしっかりと観戦し、「ここで戦いたいなって。自分自身、すごくいいイメージはできている。今日みたいにトライ(攻めのプレー)を多くしていきながら、勝ちたいですね」。4年ぶりの優勝に力を込めた。(静岡県裾野市/石井操)

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