岩井俊二、アイナ主演で92年のドラマ「夏至物語」をリメイク

その映像美から「岩井美学」と称される岩井俊二監督のキャリア初期に放送され、カルト的人気を誇った1992年の深夜ドラマ『夏至物語』(カンテレ)。あれから31年、アイナ・ジ・エンドを主演に岩井監督自らリメイクし、10月8日に同局で放送される。

アイナ・ジ・エンド主演でリメイクされるドラマ『夏至物語』 (C)カンテレ

同ドラマは、ぼろアパートの一室で愛する人の帰宅を待つ女の子・ユウコ(白石美樹)の、愛と狂気に満ちた夏の日を描いている。不穏でダークな異常性を、それに反する美しい映像で捉えた物語は、その後の岩井ワールドの一端を見ることができる(現在、TVerにて無料配信中)。

そのリメイク版の主人公には、岩井監督の最新作『キリエのうた』で主演をつとめたアイナ・ジ・エンドを起用。岩井監督は、「これ自分がまず観てみたいと思い、ご本人に旧作を観ていただいたところ、やってみたいとお返事が。かくして実現した本作。『キリエのうた』とはまたまったく違うアイナさんです。きっとご堪能いただけるかと思います。旧作はムーンライダーズの『午後のレディ』の音源をお借りしてましたが、今回は改めて演奏していただけることになりました」とコメント。

また、主演をつとめたアイナは、「1992年の作品を時代を超えて携わらせていただけて、とても幸せに思います。岩井さんの世界に混ざりこめることは私にとってやはり、すごく楽しくて刺激的でした。岩井さんの奇想天外な感性を目の当たりにするたびに、あぁ、最高だー!と心が漏れます。とても暑い日の撮影で、岩井組の皆さんは汗をだらだら流していたのに、ずっと朗らかで、キラキラしていました。たくさん学ばせていただきました」と喜んだ。

映画『キリエのうた』公開記念で実現したリメイク版『夏至物語』は、10月8日・深夜1時から放送される(関西ローカル)。※『ワールドカップバレー2023 男子 日本vsアメリカ』が延長の際は、放送時間繰り下げの場合あり。

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