金沢のホテル、10月の宿泊予約好調 国文祭、マラソン控え

チェックインの対応をするスタッフ。金沢市内では10月の宿泊予約が好調だ=市内のホテル

  ●予約増、平日も満室 訪日客、欧米中心に堅調 

 金沢市内のホテルで10月の宿泊予約が好調に推移している。新型コロナの5類移行後初めての秋の行楽シーズンを迎え、国民文化祭(いしかわ百万石文化祭2023)や金沢マラソンなどイベント参加者の予約も多く入っている。平日に満室となるホテルも出ており、関係者はイベントを好機と捉え、上積みを図っている。

 「国民文化祭の開会式にマラソン、3連休もある。週末ごとにイベントがあり、うれしい限りだ」。金沢ニューグランドホテルの担当者はこう話す。

 10月は7~9日の3連休に続き、14日に国民文化祭が開幕する。29日には金沢マラソンを控えており、県内外から大勢の参加者が見込まれる。

  ●前年比7~8割増

 金沢ニューグランドホテルでは、昨年10月と比べて宿泊予約が7~8割ほど増えている。国民文化祭開幕の14日から予約が徐々に伸び、土曜日はほぼ満室の日ばかりという。

 担当者は「国民文化祭が宿泊客を増やす大きな支えになっている」と話した。インバウンド(訪日客)も欧米を中心に堅調だという。

 「調子が悪かった9月の予約と打って変わって、10月は好調に伸びている」と語るのは、ANAホリデイ・イン金沢スカイの担当者。国民文化祭の開幕する14日は9割弱の客室が埋まり、金沢マラソン前日の28日は早くも満室となった。

 7、8日もほぼ満室で、インターネットの宿泊予約サイトなどを活用し、直前での予約機会を増やしている。

 ANAクラウンプラザホテル金沢やホテル日航金沢も予約は徐々に伸びてきた。貸し切りバス事業者も好調で、北陸鉄道(金沢市)は、10月に予約を停止した日も多いという。

  ●修学旅行は伸び悩み

 一方、コロナ下で増えていた修学旅行の団体予約は伸び悩んでいる。

 ANAホリデイ・イン金沢スカイの担当者は、金沢はコロナの感染状況が比較的落ち着いており、交通アクセスが良いことから、コロナ下でも旅行先に選ばれていたとするが、「コロナの5類移行で海外や沖縄、北海道など、従来の行き先に戻す学校が多いようだ」と話した。

 修学旅行の「石川離れ」を防ぐため、県や金沢市は三大都市圏の学校を直接訪問して誘致活動に力を入れている。市内のホテル関係者は「教育旅行は人数的にも大きな収入源だ」と語り、盛り返しを願った。

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