駆除されたシカの肉でドッグフード開発 福井県若狭町の「ジビエ工房」、野菜や玄米も使い栄養満点

福井県若狭町内で駆除されるシカの肉を使ったドッグフード=同町海士坂の食肉処理加工施設「若狭ジビエ工房」

 福井県若狭町内で駆除されるシカを地域資源として有効活用しようと、同町の食肉処理加工施設「若狭ジビエ工房」がシカ肉を使ったドッグフードを大阪の企業と共同開発、販売している。福井県産の野菜や玄米なども使い、栄養満点に仕上がっている。

 同施設は地元男性らでつくる合同会社「MOT」が指定管理を担っている。シカ肉を県内外のジビエ(野生鳥獣肉)を扱う飲食店に卸しているほか、ウインナーとして商品化し販売もしている。

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 システム開発などを手がける「九地良(くじら)」(大阪市)が、敦賀市内へのサテライトオフィスの設置検討段階で県内で多くのシカが駆除されている現状を知り、同施設にドッグフードの開発を提案。2021年秋に着手し、翌年秋から販売を始めた。

 商品ブランド名は英語でシカを意味する「Deer」。総合栄養食シリーズが全5種類あり、シカ肉以外の原材料がチーズやオリーブオイルなど異なる。おやつに最適なミートボールとハンバーグ、食事をアレンジできる冷凍ミンチもあるほか、総合栄養食のペーストタイプも今後販売する。

 冷凍ミンチを除き常温保存でき、解凍などは不要。九地良の田中実社長(50)は「シカの命を大切にしつつ犬の健康にもつながれば」と期待し、若狭ジビエ工房の管理者、西村拓也さん(28)は「安心安全の品質になっています」と勧めている。

 Deerの公式ホームページ(HP)から購入できる。問い合わせは公式HPの専用フォームで。

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