【MLB】 レンジャーズが1点差で逃げ切って先勝 新人コンビが躍動&ブルペンがリードを守り切る

写真:先制二塁打を放ったレンジャーズ・カーター

オリオールズがカイル・ブラディッシュ、レンジャーズがアンドリュー・ヒーニーという両先発で始まった第1戦は、3回まで互いに無得点。4回表、レンジャーズはブラディッシュに4連打を浴びせて2点を先制。オリオールズもすかさず反撃し、4回裏に4番ライアン・マウントキャッスルのタイムリー二塁打で1点を返す。その後、両チームとも先発を交代し、ブルペン勝負に。6回の攻防でレンジャーズは8番のジョシュ・ヤン、オリオールズは3番アンソニー・サンタンデールのソロ本塁打でお互いに1点ずつ追加した。その後、レンジャーズのブルペンがオリオールズの反撃をしのぎ、3対2でそのまま逃げ切った。

レンジャーズの新人コンビがまたしても躍動した。

ワイルドカードシリーズでは“恐怖の9番”として活躍したエバン・カーターは今日クリーンナップの5番に抜擢。すると、4回表に先制のタイムリー二塁打を放ち、第1・3打席でも四球で出塁を記録した。

弱冠21歳39日のカーターはプレーオフの活躍によって数々のプレーオフ最年少記録・トリビアを打ち立てている。『MLB.com』のサラ・ラングスによれば、3試合のスパンで9回以上出塁したのは、1924年のフレディ・リンドストローム以降初めて。また、3試合で4本の長打を放った選手では、ミゲル・カブレラ(2003年)とフアン・ソト(2018)の次に若い。しかもカーターはその3試合スパンの記録をキャリア初めてのプレーオフ3試合で成し遂げており、プレーオフデビューからの3試合に限ればカーターは最年少になる。その他にもカーターの快進撃にまつわる記録は枚挙にいとまがない。

ア・リーグ新人王のファイナリスト有力候補であるヤンは6回に貴重な追加点となるソロ本塁打。ヤンもカーターに並んで4本の長打をここまでのプレーオフで放ち、カーターに続いてプレーオフデビューからの3試合で4本以上の長打を放った史上5人目の打者となった。

新人コンビの躍動があったとはいえど、オリオールズのエース、ブラディッシュからのリレーに得点は3に留まった。今日はレンジャーズ投手陣の踏ん張りが勝負を分けた。

先発のヒーニーは1巡超を投げ切って、第2先発のデーン・ダニングへ繋いだ。夏場からブルペンに回ったものの、プレーオフ進出がかかったシーズン161試合目のマリナーズ戦で急遽の先発登板で好投。プレーオフでも先発・リリーフの役割を問わず、切り札として活躍している。

その後、ダニングと左腕のウィル・スミスが繋ぎ、守護神のホセ・レクラークまで7・8回を誰に任せるのかが焦点に。7回を任されたジョシュ・スボーツ、8回を投げたアロルディス・チャップマンは、共に四球からピンチを招いたものの、大きな三振とダブルプレーを奪ってピンチを切り抜けた。9回もレクラークが先頭の出塁を許したものの、捕手ジョナ・ハイムの大きな盗塁刺にも助けられて無失点投球。そのまま逃げ切った。

オリオールズは終盤に脆弱なレンジャーズのブルペン陣からチャンスを作ったが、決定打を欠いた。多くの選手にとって初めてのプレーオフとなった今日の試合だが、ほろ苦いデビュー戦となってしまった。

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