【中津】九州の水上スポーツの一大拠点、耶馬渓アクアパーク(中津市耶馬渓町山移)で育った大学生と高校生が、10日から米フロリダ州で予選が始まる2023年世界水上スキー選手権大会に日本代表として出場する。強豪がひしめく最高峰の舞台で、郷里の練習環境への感謝を胸に高みに挑む。
耶馬渓町三尾母出身で立教大2年の坂口稿さん(19)=埼玉県新座市=と、中津市沖代町の中津南高耶馬渓校2年の中村成(じょう)さん(16)。坂口さんはアクアパークを活動拠点とする中津市マリンスポーツクラブのOB。中村さんは同クラブの現役メンバーで2人は先輩後輩の間柄になる。
耶馬渓町の小学校ではアクアパークでの水上スポーツ体験があり、坂口さんは小学3年生で水上スキーを始めた。その後、競技として本格的に取り組むようになった。
大学進学後は関東の江戸川や富士五湖の河口湖などで練習。「アクアパークは施設面でも、アクセス面でもいい環境だった」と振り返る。
中村さんは水上スキー選手だった父親の大悟さん(43)=市職員=の影響で2歳で競技を始めた。練習時間を確保するためアクアパークに近い耶馬渓校に進学し、放課後に練習を重ねている。「素晴らしい環境で滑ることができたので、ここまでくることができた」と関係者に感謝する。
世界大会は15日まで予選、決勝があり、30カ国から約230人が出場する。世界の壁は厚く、過去に予選を通過した日本の選手はいない。2日に市役所で出発あいさつをした2人は「予選を突破したい」と目標を語った。