長崎・三重町は生物の宝庫? 珍しいトンボ発見に専門家も驚き

発見されたハネビロトンボ=長崎市若竹町

 長崎市三重町の龍光寺で9月24日、三重地区連合自治会の辻郷英樹会長(76)が本堂に飛来したハネビロトンボを見つけ、捕獲した。同市若竹町の元県生物学会会長で日本トンボ学会員の池崎善博さん(84)宅に持って行くと、「珍しい!」と驚かれたという。
 オスで体長5センチ、羽の先端からもう一方の羽の先端まで9.5センチ。池崎さんによると、ハネビロトンボはトンボ科ハネビロトンボ属。小型で腹部が短く、羽に茶褐色の模様がある。名前は幅広い羽の付け根に由来するという。南西諸島に生息し、本県はハネビロトンボにとって寒い地域で越冬できない。
 池崎さんは「長崎県では一年に一回、お目にかかれるかどうかというレベル」と評価し、「沖縄方面から季節風を利用して東シナ海を渡ってきた可能生がある」と推測。「三重町では数年前にも沖縄に生息する珍しいトビイロヤンマが発見されたから、意外と生物の宝庫かもしれない」と話した。


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