「日東紅茶」レギュラーコーヒーなどへ領域拡大 「ミルクとけだすティーバッグ」シリーズを総合カフェブランド化 三井農林

三井農林は「日東紅茶」ブランドでレギュラーコーヒーなどへ領域拡大する。

その牽引役を担うのが「日東紅茶 ミルクとけだすティーバッグ」シリーズ。

同シリーズは、茶葉とミルクが一緒に入った新タイプのティーバッグ。今回、茶葉の代わりにレギュラーコーヒーをティーバッグに入れるなどした新商品5品を一挙投入して領域拡大に挑む。

高付加価値商品による紅茶市場の成長が狙い。

2019年から22年にかけて紅茶市場トータルでは大きな変化はみられないものの、2021年8月に発売開始された「ミルクとけだすティーバッグ」など高付加価値商品の登場によりティーバッグが好調に推移している。

8月23日発表した細野亮介企画本部本部長は「ティーバッグ市場は19年から22年にかけて販売金額が10%伸び、販売単価は30円上昇した。この間、各社は値上げを実施しておらず、商品ポートフォリオが変わってきている」との見方を示す。

「日東紅茶」では「はちみつ紅茶」「ミルクとけだすティーバッグ」「水出しティーバッグ」などを強化して市場の単価アップに貢献。
今回この流れに拍車をかけるべく、8月28日に新商品5品を発売開始した。

5品は、コーヒー・フルーツティー・チャイの3つの領域に分かれ、新たに「ミルクとけだす珈琲バッグ」と「果実とけだすティーバッグ」が登場する。

紅茶やお茶の垣根を越えて「『ミルクとけだすティーバッグ』と今回の新商品を総合カフェブランド化していく」考えで、今期(3月期)2000万杯、3年後に1億杯の需要創出を目指していく。

「日東紅茶」ティーバッグの総生産量が約8億杯であることから1億杯の需要創造に向けて今後も新商品の投入が予想される。

竹田一也企画本部 商品企画・マーケティング部部長は「社内ではおいしいスープの組み合わせもできるのではといったアイデアも出ており、今後の展開についてはかなり幅広く考えている。1億袋というのはティーバッグの世界ではかなりメジャーであり、当社としては1つの指標になっている」と語る。

「ミルクとけだすティーバッグ」は21年に「オリジナルブレンド」と「アールグレイ」の2品を発売。2品の販売好調を受け、22年には生産能力増強を図りラインアップを拡充。

「はちみつ紅茶」「しょうが紅茶」「ほうじ茶」を加えて5品体制とし、5品を1袋ずつ入れたアソートタイプもスポットで発売した。
アイテム増の効果もあり「ミルクとけだすティーバッグ」シリーズの22年出荷数量は前年比3.5倍を記録した。

発売開始した21年を第一フェーズ、今年を第三フェーズと位置付ける。

「今までと違う点は3つあり、1つ目は利便性とおいしさの2つのベネフィットをコーヒーにも当てはめた点。2つ目は、複数の異なる素材を一度に充填できる多層充填でミルク以外のものも組み合わせた。3つ目はやはり当社は紅茶メーカーであるので紅茶を軸にした新フレーバーの提案となる」と説明する。

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