【MLB】進化する鉄腕バーランダーが6回零封 これでプレーオフ通算17勝目

写真:またも好投したアストロズ・バーランダー

日本時間8日に行われたツインズ対アストロズのア・リーグ地区シリーズの第1戦、昨年世界一のアストロズが貫禄を見せた。

アストロズの初戦の先発はジャスティン・バーランダー。地区シリーズでの先発はこれでキャリア13度目となるバーランダーは、6回無失点の好投で強力ツインズ打線を抑え込む。すると、打線も流石の貫禄を見せる。1番ホセ・アルトゥーベ、2番ヨーダン・アルバレスの本塁打を中心に5点を叩き出して、バーランダーを援護。バーランダーの降板後、ツインズ打線に4点を返されて、1点差となったものの、7回裏にアルバレスが今日2本目となるソロ本塁打を放って突き放した。アストロズはそのまま6対4で初戦の勝利を手繰り寄せている。

バーランダーはこれでプレーオフ通算17勝目。アストロズ、ヤンキースで活躍したアンディ・ペティットの19勝の最多記録を射程圏内に捉えた。

サイヤング賞に輝いた昨年から一転、メッツに移籍して迎えた今シーズンのバーランダーは故障にも悩まされた。奪三振率はついに平均以下にまで割り込み、パフォーマンスから衰えを感じさせていたのも事実だ。

しかし、地区優勝・プレーオフ進出がかかったシーズン最終週に、バーランダーは2先発で13イニングをわずか1失点に抑える活躍。チームを逆転地区優勝に導き、自身も週間MVPに輝いた。シーズン最終先発となったダイヤモンドバックス戦では、4シームの平均球速が今季最速の95.4マイル(約154キロ)を記録した。

40歳のバーランダーは勝負どころをよく理解しており、どこにピークを持っていけば良いかを完全にわきまえている。

バーランダーが『MLB.com』に語ったところによれば、バーランダーはメッツとアストロズの投手コーチから投げすぎだろうと言われることもあったとのこと。しかし、バーランダーにとっては「これが調子を知る唯一の方法」とのことで、登板間のブルペンの中で感覚を掴み、それが最終戦のパフォーマンスにも繋がったという。

肉体的に負担の多いMLBのレギュラーシーズンにおいて、40歳の投手がコーチから心配されるほどの練習量を維持しているのは異常だ。しかし、バーランダーは通例に当てはまるような投手ではないのだろう。

今日のバーランダーは最初に対戦した10打者のうち、6人に出塁を許すなど、立ち上がりが良くなかった。バーランダーはツインズ打線の速球狙いを見抜き、球速を上げてきた4シームを今日は封印。中盤からはカーブでカウントを整え、スライダーで空振りを奪う配球に切り替えた。マウンドを降りるときには、バーランダーは最後に対戦した14打者に安打を許さなかった。

40歳となった今も剛速球のクオリティを保ちながら、相手打線の出方を見て変化球でかわす投球に切り替える。“ビンテージ”の貫禄を感じさせるバーランダーが、アストロズをまたしてもプレーオフの勝利に導いた。

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