イラン製無人機による攻撃最多 9月に500機、迎撃失敗も

ロシア軍がウクライナの首都キーウの攻撃に使用したイラン製無人機「シャヘド」の残骸=5月、キーウ(ゲッティ=共同)

 【キーウ共同】ウクライナに侵攻するロシアが、低コストのイラン製無人機「シャヘド」による攻撃を拡大している。ウクライナ軍によると、9月には月別で最多となる503機が飛来。迎撃を失敗するケースが増えているとの指摘もあり、ウクライナは防空態勢の強化を迫られている。

 ロシアは昨年秋ごろからシャヘドによる攻撃を開始。ウクライナ軍によると、これまでは5月の413機が最多だった。6月は197機、7月は246機、8月は167機と推移したが、9月に503機と急増。10月は同6日までに98機が飛来した。

 9月の攻撃では、ウクライナは、503機の79%に当たる396機を迎撃したが、迎撃の成功率が低下しているとの見方が出ている。

 9月30日夜から10月1日にかけた攻撃では、30機のうち16機しか迎撃できなかった。ロシアは攻撃標的を分散させて、防空網をかいくぐる手法も採用。10月5日から6日には、東部のハリコフ、ドニプロ、南部のオデッサ、ヘルソンなどに向けて同時多発的に攻撃を仕掛けた。

撃墜されたロシア軍のイラン製無人機「シャヘド」によって損壊したウクライナの首都キーウのマンションの部屋=7月(ゲッティ=共同)

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