ソニー、新CineAltaカメラ「BURANO」お披露目イベント開催。撮影関係者招待制イベントで実機を公開

2023年10月6日、ソニーはCineAltaカメラ「BURANO」を撮影関係者に披露する招待制のお披露目イベントをIMAGICA EMS 竹芝メディアスタジオで開催した。

同イベントは、BURANOのフッテージ作品の観覧と、使い勝手を体感できるハンズオンコーナーで構成。イベントは1日3回に分けて開催され、どの回もほぼ満員で、注目度の高さを見せつけた。ここでは、もっとも関心が高いと思われるハンズオンコーナーを中心にレポートする。

上映会でスピーチを行ったプロフェッショナルイメージングテクノロジー事業部 ゼネラルマネージャーの高橋暢達氏
BURANOで撮影した「YUME」(監督 浜田毅氏、撮影 加藤航平氏)の本編とBTS、「My melomania」(監督・撮影 岡村良憲氏)の本編とBTS、「泡詠」(監督・撮影 千々松政昭氏)の本編を上映した

「YUME」(監督 浜田毅氏、撮影 加藤航平氏)の本編

「My melomania」(監督・撮影 岡村良憲氏)の本編

BURANOの実機が展示されたハンズオンコーナーの様子

ハンズオンコーナーには、BURANOのPLマウントとEマウントの合計2式を展示。1式は、グリップリモコン「GP-VR100」と組み合わせてワンオペショルダースタイルを試すことができた。グリップリモコンからカメラのフルコントロールが可能になり、ワンオペの場合は組み合わせて使うと便利と説明していた。

PLマウントアダプタを取り外すことでEマウントレンズを使用可能。AF機能を活用できる
グリップリモコン GP-VR100の装着で、ズームレバー、録画START/STOPボタンやマルチセレクターなどを使ってコントロールが可能

BURANOは小型筐体でありながら光学式手ぶれ補正を搭載し、PLマウントでも手ぶれ補正に対応する。B4マウント変換アダプターとB4レンズを付けた場合でも、筐体内の手ぶれ補正を効かせた撮影を可能としている。

また、BURANOは手ぶれ補正と電子式可変NDフィルターを筐体内に共存できているのは世界でこのカメラだけだという。ミラーレスカメラは手ぶれ補正を搭載するが、電子NDは搭載しない。逆にシネマカメラは電子NDを搭載するが、手ぶれ補正は搭載しない。BURANOは両方備えたその中間のカメラとアピールをしていた。

PLマウントカメラとして初めてPLマウントレンズ装着時のボディ内蔵光学式手ブレ補正機構に対応

記録メディアのCFexpress Type Bカードコーナーでは、BURANOに対応する1TBと2TBモデルを展示。ソニー公式ストアでの販売価格は税込19万円前後と税込36万円前後で、2024年春発売を予定としている。

ソニーCFexpress Type Bカードの既存モデルはBURANOに未対応だが、新しい2モデルはVPG(ビデオパフォーマンスギャランティー)規格に準拠し、BURANOに対応する。タフ仕様で、5mの高さからの落下や7kgの圧力まで耐える強靭な堅牢性を備えた設計を特徴としている。

シネマカメラのコーナーにはVENICEの展示も行われていた。VENICEはBURANOの登場で話題をさらわれがちだが、ソニーの中では不動のトップエンドのフラッグシップモデルであり、プロジェクトに応じてシステム構築をする場合はVENICEがもっともお勧めとしている。

VENICEは可変NDフィルターを引き続き特徴としており、BURANOは最小0.6NDに対してVENICEは最小0.3NDから適用可能。低いNDに対応しており、かゆいところに手が届きやすい仕様を実現している。

BURANOの発売は2024年春で、2024年夏にはファームウェアバージョン1.1を提供予定としている。ソニー製カメラをリモートコントロールするS700プロトコル(Ethernet接続)に対応。アナモフィックスレンズの対応の幅を広げて1.5倍でスクイーズする表示機能を追加する。

公開時期はまだ時期未定として、4:3アスペクトのイメージャーモードの追加やアナモフィックレンズ使用時の1.8倍ディスクイーズ表示機能やHDMI出力のカメラ状態表示のレイアウト変更などアップデートを予定としているという。

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