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兵庫県赤穂市の坂越湾周辺で8日、国の重要無形民俗文化財「坂越の船祭」が行われた。浜辺では細長い板の上で男衆が舞う「バタカケ」が披露され、和船の船団が御旅所を目指す船渡御では4年ぶりに12隻がそろって湾内を巡った。
祭りは大避神社(赤穂市坂越)の祭礼で、江戸時代に始まり、300年以上前の形を引き継いできたとされる。坂越湾に浮かぶ生島には聖徳太子の側近・秦河勝が漂着したと伝わり、霊を鎮めるため、みこしを載せた船団が生島の御旅所に向かう。
浜辺では小雨の降る中、ふんどし姿の男衆30人が長さ約7メートルの「バタ板」を持ち上げ、その上で氏子が太鼓をたたいたり、大漁旗を振り回したりした。
船渡御は昨年、規模を縮小して再開したが、今年は新型コロナ禍前と同じ12隻の船団で獅子舞も登場。神社から運ばれたみこしは、岸から架けたバタ板の上を通って船に載せられ、観客の大きな拍手に見送られて出発した。(小谷千穂)