神馬2頭疾走 安寧と豊漁祈願 浅口・大浦神社で「競馬神事」

大浦神社の境内を疾走する神馬

 浅口市寄島町、大浦神社の秋季例大祭で8日、約460年の歴史を誇るとされる「競馬神事」(同市無形民俗文化財)が営まれた。2頭の神馬が境内を疾走し、地域の安寧と五穀豊穣(ほうじょう)、豊漁を祈願した。

 地元住民による御船や千歳楽、みこしが境内に入って練り歩いた後、クライマックスの「競馬十二懸(かけ)神事」が始まった。ともに紅白の鉢巻き、裃(かみしも)姿の会社員(60)と岡山大馬術部監督・田中堅太郎さん(51)が神馬で鳥居の間約150メートルを12往復し、詰めかけた参拝者約2千人が見入った。

 新型コロナウイルスの影響で4年ぶりとなり、倉敷市立長尾小4年男子(9)は「迫力があってかっこよかった」、父親(46)は「地域の伝統が戻ってきて良かった」と話していた。

 競馬神事は永禄年間(1558~70年)に戦国武将・細川通董(みちただ)が神社を現在地に移した際、40頭の馬を参列させたのが起源とされる。

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