配偶者と離婚してひとり暮らしを始める男性は多いですが、窮屈だった結婚生活からひとりになった自由は言いようもないほどの解放と充実を感じます。
一方で、それまであまり手を出す必要のなかったことをひとりで切り盛りする必要も出てきて、大変だったり寂しかったり、自由には孤独もまたつきまとうもの。
「離婚後のひとり暮らし」を送る男性たちに、どんな現実なのか聞いてみました。
「元妻とは性格の不一致が原因で別れました。共働きで生活には困らないし、お互いに好きな趣味を楽しんでいたのですが、だんだんとすれ違うことが増えてきて。
子どもを作らなかったせいか、妻に関心がなくなってくると家にいる意味を感じないし、それより外で好きなことをしていたいのですよね。
そんな俺を見て妻の心が離れていくのは感じていましたが、どうしようもありませんでした。
いわゆる仮面夫婦みたいな状態になり、妻のほうから離婚を切り出され別れたのが一年前。
住んでいたマンションを俺が出て、会社の近くのアパートでひとり暮らしを始めました。
最初は『ひとりになるとこんなに気持ちが軽くなるのか』という感じで、妻の気配がない生活を楽しんでいたのですが、予想もしていなかったことが起こりました。
離婚についてはあれこれ口出しをしなかった母親が、俺がひとり暮らしを始めてからは買い物に付き合えとか掃除を手伝ってくれとか、頻繁に連絡してくるようになったんです。
両親は高齢だしもちろん助ける気持ちはあるけれど、毎週のように電話をかけてきては呼び出されるとさすがに疲れてきて。
『休みの日くらいゆっくりしたいから』と断ると、『ひとりでどうせ暇でしょう。親孝行すれば』と返されてさすがにカチンときましたね。
時間はあるけれど俺も好きなことをしたいし決して暇なわけではなく、それからは休日出勤や残業を言い訳に実家に行くのは避けています。
結婚している頃は、母親の相手を妻がしてくれていてたまにふたりで実家に行くこともあったけど、離婚したから俺がひとりでしなければいけないのだな、と今ごろ実感しています。
親孝行は当然考えますが、俺の時間を全部持っていかれることは受け入れられないし、これからは実家との付き合い方を考えないといけないと思っています」(40歳/建築)
自分の家族がいれば、実家のために割く時間も少なく配偶者も関わりに入ってくれるのでみんなで過ごせますが、ひとりになるとその負担がなぜか増える、というケースはよく見聞きします。
「ひとりになのだから暇」と親は決めつけますが、実際はやることは多いし休息も取りたいし、自分のペースがありますよね。
独身になったことで自分たちの側に引き寄せようとする親は多く、うまく距離を取って付き合っていくのも自分のためといえます。
(ハピママ*/ 弘田 香)