FIA、F1カタールGP決勝のタイヤ総寿命を最大18周に制限と正式発表。57周の戦いは必然的に3ストップに

 10月8日、FIA国際自動車連盟は現地時間20時(日本時間26時)から行われる2023年F1第18戦カタールGP決勝において、タイヤの総寿命を1セットで最大18周に制限すると正式発表した。なお、7日から検討されていた決勝での全車3ストップ義務化については見送られている。

 F1カタールGPの舞台、ロサイル・インターナショナル・サーキットは2度目のF1開催となる2023年度大会に向け路面再舗装を含む大規模な改修工事を実施。ただ6日の予選終了後、その改修工事で新たに設置された高さ50mmのピラミッド形状の縁石がタイヤのサイドウォールにダメージを与え、エアロスを招く可能性があることがピレリの分析で明らかとなった。

 この懸念に対応するべく、7日に行われたスプリント・シュートアウト、並びに19周のスプリントでは、高速右コーナーのターン12とターン13のトラックリミットを、縁石のイン側、本来はコース内にあたるアスファルト上に引き直して実施された。

 スプリント終了後、ピレリは再度走行後のタイヤを分析。ただ、スプリントは3度のセーフティカー導入により、グリーン下では9周しか連続走行できなかったため、「新たに追加できる情報を得るには不十分だった」という。それも踏まえ、8日現地時間14時(日本時間20時)よりFIAと各チームの代表者が決勝へ向けた対策を協議した。

 話し合いの結果、決勝でのタイヤの総寿命を1セットごとに最大18周に制限することが決定された。この18周制限はすでに使用されたユーズドタイヤを使用する場合も対象(スプリントまでの有効周回数からインラップとアウトラップの2周を減算した周回数でカウントされる)となるため、FIAとピレリはそれぞれのユーズドタイヤで決勝を走行できる残り周回数を記した書面を各チームに配布するという。なお、18周制限にはレコノサンスラップ(グリッド試走)、フォーメーションラップ、スプリントと決勝レースのチェッカーフラッグ後の周回数はカウントされない。18周の制限を越えた場合は「安全でない状態で走行した」としてスチュワードに報告されるとのことだ。

 7日から検討されていた全車3ストップは義務とはならなかったものの、カタールGP決勝の周回数は57周のため、全車3回のタイヤ交換を伴うピットストップを実施し、4スティント目に入らなければ完走できない状況だ。

 2023年F1第18戦カタールGP決勝は、日本時間の8日26時より周回数57周で行われる。今季のドライバーズタイトル、コンストラクターズタイトルはすでに決しているが、また違った意味で目が離せないレースとなりそうだ。

報道陣と言葉をかわすピレリのレーシングマネージャーのマリオ・イソラ
2023年F1第18戦カタールGP決勝:持ち込みタイヤの決勝走行可能周回数一覧

© 株式会社三栄